両手を包み込むようにして握られると、無理だとはとても言えなかった。
剛志のために寮を出たいと思ってしまう。
「わかった。考えてみる」
私はそう返事をして、剛志と別れたのだった。
☆☆☆
「窓から見えてたよ」
寮内に入るとすぐに雪菜が声をかけてきた。
剛志と手をつなぎ合っている場面を見られたと思うと恥ずかしい。
「そっか」
と、短く答えて自分の部屋へ向かおうとすると、雪菜に手首を掴まれた。
「同棲するの?」
「うそ、会話まで聞こえてたの?」
そんなの恥ずかしすぎるとうつむいたけれど、雪菜は真顔のままだった。
「ダメだよ。寮を出るなんてできないんだから」
「そんなのわかってるよ。私の両親が承諾するとも思えないし」
ちゃんと剛志を紹介したとしても、同棲が許可されるとは思いにくい。
勉強するためにここへ来たのに、恋にうつつを抜かしていると怒られるような行為だ。
剛志のために寮を出たいと思ってしまう。
「わかった。考えてみる」
私はそう返事をして、剛志と別れたのだった。
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「窓から見えてたよ」
寮内に入るとすぐに雪菜が声をかけてきた。
剛志と手をつなぎ合っている場面を見られたと思うと恥ずかしい。
「そっか」
と、短く答えて自分の部屋へ向かおうとすると、雪菜に手首を掴まれた。
「同棲するの?」
「うそ、会話まで聞こえてたの?」
そんなの恥ずかしすぎるとうつむいたけれど、雪菜は真顔のままだった。
「ダメだよ。寮を出るなんてできないんだから」
「そんなのわかってるよ。私の両親が承諾するとも思えないし」
ちゃんと剛志を紹介したとしても、同棲が許可されるとは思いにくい。
勉強するためにここへ来たのに、恋にうつつを抜かしていると怒られるような行為だ。



