「もう世莉(せり)なんて知らない!絶交しよう」

聞き飽きた理子(仮名)からの言葉。正直言って私の心にはその“絶交”とか言う言葉は何一つ響かなかった。もう聞き飽きたの。理子からの「絶交しよう」って言う言葉。私の方から言いたかった。「絶交したい」って。だって、あなたのせいで私の人生台無しだもの。毎日襲いかかるプレッシャーの元は理子。あなたさえいなければ、あなたさえいなければ、私の人生幸せだったはずなのに。周りの子は楽しい。理子、あなたさえいなければ、幸せだったのに。

私の名前は斉藤 世莉。(仮名)
理子は私の心の中の「黒」の元凶。理子の悪口なんて、毎日何個も心の中で大声で叫んでた。

「困ったことがあるなら大人に相談しましょう」

いろんな人たちがそう言ってるけど、私は言えない。理子と私の親は毎回飲みに行くほどの仲の良さで、絶交したいってもし親に言えたとしても「仲直りしよう」って言われるだけなんだ。それに、言える気がしない。今もこうしてここにしか心の中を描けない。もう、疲れたんだ。周りの子からの理子への冷たい目が私にとっての慰め。
理子は繰り返す。全部、繰り返す。もう「怒り」なんて湧いてこないほどになってしまいそう。いや、「怒り」ってなんだっけ。そっか。私は正直に言うと感情が不安定な方。周りの空気ばっかり気にしちゃって、いつしか「怒り」は「悲しみ」に化してたんだ。私は理子の操り人形なんかじゃない。いっつも怒りのせいで泣いちゃって、もう最近は理子が悪口言うとこっちを向いて「泣かないの?」って笑いながら言い出す始末。理子、私は悲しんで泣いてるんじゃない。怒りで泣いているんだ。それに家もお隣同士で逃れる範囲がなくて、絶交できたとしても学校一緒だし「気まずい」だけ。いや、気まずいだけでこの地獄から出れるのか。
都合いい時だけ「親友」もうこんな友達ごっこしてらんない。親にもみんなにも「二人は仲良いね」って。違う。そうじゃない。理子なんかと友達って思われたくない。私は一人っ子だし、友達に話したって、私がおかしいって言われるだけかもしれない。もう嫌だよ。理子のせいで今日も憂鬱。いや、もしかして私が悪いの?理子を毎回怒らせちゃうのって、私が悪い子だからなのか。私が最低な女だからなのか、

「ねえ、また泣くの?泣けばいいってもんじゃないよ?」

違う。私は怒って....、あれ、こんな時に限って理子への想いと絶交したいって言う気持ちが言葉に出ない。

「ふん、学ばないんだね」
「違うっ.....」

抗うことしかできない私を哀れだと思ってるのか、やっちゃったみたいだけど内心笑ってる顔をしてる。いつかこの数十年ためた怒り、打つける相手を見つけられた。それは理子。まだ私この怒り打つけず溜めるけど、その時泣くんじゃないよ。泣いたら私が笑っちゃって私が悪いみたいになっちゃうから。でも、怒りをここにしか描けない私も哀しいんだね。理子それは...、そう言う言葉を漏らしちゃって、毎回喧嘩になるんだっけ。もう、本当の自分を隠すのを止めれば楽になれる?だめだ。だめだ。だめだ。
明日がまたくるから、その時本音を伝えればいいんだよね。大丈夫、大丈夫、

「人間って、哀しくて、幸せな生き物だね」