そこには見たことのない五人の男が立っていた。
「このあたりに龍の末裔が住む村がありませんか」
「はあ!? あんたたち、なによ!」
「私たちも龍の末裔なのです。この近くの隠し村に尊きお方がいらっしゃると聞き、直訴をしたく参りました。我が一族の存亡がかかっているのです」
沙代は閃いた。
彼らを村に呼び、嘆願を伝える。
ならば皇子は、なんと情け深い女性であるかと自分を見直すに違いない。
時計を差し出して皇子に眞白を嫌わせて、そこへ慈悲深い自分が代わりに嫁ぎます、と言えば。
自分は村一番の美人で、きっとこの国の誰よりも美人だ。幻術だって使える。なんの力もない眞白なんかより、よっぽど皇子の嫁にふさわしい。
妃に決まったあかつきには、眞白を死罪にしてもらおう。
「さぞお困りでしょうねえ」
沙代は気遣うように彼らに言う。
「ええ、我らとて滅びたくはありません」
「噂では、皇子がおいでであらせられるとか」
男たちは弱り果てた様子を見せた。
「そうよ」
沙代はおお威張りで答えた。
「なんと!」
「皇子にこの窮状をお伝えできれば」
男たちは口々に言う。
「村へ案内してあげるわ」
「ありがとうございます!」
「このあたりに龍の末裔が住む村がありませんか」
「はあ!? あんたたち、なによ!」
「私たちも龍の末裔なのです。この近くの隠し村に尊きお方がいらっしゃると聞き、直訴をしたく参りました。我が一族の存亡がかかっているのです」
沙代は閃いた。
彼らを村に呼び、嘆願を伝える。
ならば皇子は、なんと情け深い女性であるかと自分を見直すに違いない。
時計を差し出して皇子に眞白を嫌わせて、そこへ慈悲深い自分が代わりに嫁ぎます、と言えば。
自分は村一番の美人で、きっとこの国の誰よりも美人だ。幻術だって使える。なんの力もない眞白なんかより、よっぽど皇子の嫁にふさわしい。
妃に決まったあかつきには、眞白を死罪にしてもらおう。
「さぞお困りでしょうねえ」
沙代は気遣うように彼らに言う。
「ええ、我らとて滅びたくはありません」
「噂では、皇子がおいでであらせられるとか」
男たちは弱り果てた様子を見せた。
「そうよ」
沙代はおお威張りで答えた。
「なんと!」
「皇子にこの窮状をお伝えできれば」
男たちは口々に言う。
「村へ案内してあげるわ」
「ありがとうございます!」



