なんで!?
驚愕とともに怒りがたぎる。
なんで私がこんな目に遭うの。
眞白なんかに頭を下げさせられるなんて。絶対に許さない!
心には復讐の炎が勢いよく燃え上がっていた。
***
翌朝、目が覚めた眞白は呆然としていた。
布団で寝るなんて何年ぶりだったろうか。
昨夜は、これまた何年振りかわからない湯につかった。
一緒に寝たいという虹夜を雨刻がひきはがし、眞白は客間で寝かされた。
起きた眞白は虹夜に与えられた薄桃色の紗の着物を身に着けた。上質な絹だ。自分が着ていた襤褸とはまるで違う。染めの小花が天の川のように流れ、可憐に彩る。麻の帯には銀の龍を象徴するように銀糸の花が織り込まれて咲き乱れていた。
これは虹夜がまだ見ぬ嫁のために事前に誂えたという。いただけない、と断ったが、ならば部屋いっぱいに着物を用意する、と妙な脅され方をして、仕方なく受け取った。
身支度を整えたあとは、昨晩に言われたとおりに彼の部屋へ行く。
部屋の前の庭には護衛が待機していた。
眞白は彼らに会釈をしてから部屋に声をかける。
「失礼します。眞白、参りました」
「入れ」
虹夜の言葉に、障子を開けて中に入る。
驚愕とともに怒りがたぎる。
なんで私がこんな目に遭うの。
眞白なんかに頭を下げさせられるなんて。絶対に許さない!
心には復讐の炎が勢いよく燃え上がっていた。
***
翌朝、目が覚めた眞白は呆然としていた。
布団で寝るなんて何年ぶりだったろうか。
昨夜は、これまた何年振りかわからない湯につかった。
一緒に寝たいという虹夜を雨刻がひきはがし、眞白は客間で寝かされた。
起きた眞白は虹夜に与えられた薄桃色の紗の着物を身に着けた。上質な絹だ。自分が着ていた襤褸とはまるで違う。染めの小花が天の川のように流れ、可憐に彩る。麻の帯には銀の龍を象徴するように銀糸の花が織り込まれて咲き乱れていた。
これは虹夜がまだ見ぬ嫁のために事前に誂えたという。いただけない、と断ったが、ならば部屋いっぱいに着物を用意する、と妙な脅され方をして、仕方なく受け取った。
身支度を整えたあとは、昨晩に言われたとおりに彼の部屋へ行く。
部屋の前の庭には護衛が待機していた。
眞白は彼らに会釈をしてから部屋に声をかける。
「失礼します。眞白、参りました」
「入れ」
虹夜の言葉に、障子を開けて中に入る。



