「申し訳ございません。御膳を汚したのはこの者かと」
「膳と同じ嘆きを感じる」
夜光が言い、辰彦は床に頭をつけた。
「かくなる上は、命をもって償わせていただきます」
「愚かも過ぎると言葉が出ぬものだな」
夜光は嫌悪に吐き捨て、辰彦たちははわけもわからず頭を下げる。
「まだ聞いていなかったな。名は?」
眞白に向ける優し気な口調に、沙代は顔をしかめた。自分にはこのような言葉をかけられていない。
「眞白と申します。お願いでございます。ご気分を害したのでしたら、せめて一太刀で楽にしていただきたく……」
「そのようなことするわけがない。我が嫁を手にかけるなど」
夜光の言葉に、その場にいた全員が驚愕した。
「こう……夜光殿!」
「もういい。偽名など無意味だ」
「コウヤ様……?」
眞白が呟き、沙代はまた驚愕した。
「そうだ、コウヤだ。虹の夜と書いて虹夜。お前の運命のツガイだ」
またしても全員が驚愕した。
虹の夜と書いて虹夜。それは帝の唯一の息子の名だ。
「まったく、殿下はご自由であられる」
雨刻が苦虫をかみつぶしたような顔でぼやく。
「今宵は仕方あるまい。我が嫁を見つけたのだ。浮かれる気持ちを抑えられん」
眞白はただ目をぱちくりとして虹夜を見ている。
「膳と同じ嘆きを感じる」
夜光が言い、辰彦は床に頭をつけた。
「かくなる上は、命をもって償わせていただきます」
「愚かも過ぎると言葉が出ぬものだな」
夜光は嫌悪に吐き捨て、辰彦たちははわけもわからず頭を下げる。
「まだ聞いていなかったな。名は?」
眞白に向ける優し気な口調に、沙代は顔をしかめた。自分にはこのような言葉をかけられていない。
「眞白と申します。お願いでございます。ご気分を害したのでしたら、せめて一太刀で楽にしていただきたく……」
「そのようなことするわけがない。我が嫁を手にかけるなど」
夜光の言葉に、その場にいた全員が驚愕した。
「こう……夜光殿!」
「もういい。偽名など無意味だ」
「コウヤ様……?」
眞白が呟き、沙代はまた驚愕した。
「そうだ、コウヤだ。虹の夜と書いて虹夜。お前の運命のツガイだ」
またしても全員が驚愕した。
虹の夜と書いて虹夜。それは帝の唯一の息子の名だ。
「まったく、殿下はご自由であられる」
雨刻が苦虫をかみつぶしたような顔でぼやく。
「今宵は仕方あるまい。我が嫁を見つけたのだ。浮かれる気持ちを抑えられん」
眞白はただ目をぱちくりとして虹夜を見ている。



