眞白は口を開けることができず、椀の中身がこぼれた。着物がびしょびしょに濡れ、肉団子がぼろりと落ちて土にまみれる。
「あんた、生きてる人間より死んだ雉が大切なのね」
沙代はなんども鞭打ち、使用人は頭を抱えて地面に伏せている。
「やめてください! 鞭を打つなら私を!」
土下座をする眞白に、沙代は、ふん、と鼻で笑う。
「やめてほしかったらそれを食べるのよ」
土にまみれた肉団子を指さし、沙代は言う。
「お願い、食べて!」
使用人が悲鳴を上げる。
眞白は震える手を伸ばした。
食べないと、この人が苦しむ。この人はきっと、沙代ではなく自分を恨むだろう。
そんなことを思いながら肉団子を手にする。
かつての愛らしい友であったなど、想像もつかない姿になってしまった。
「早くったら!」
急かす声に、肉団子を口に入れる。噛み切ると、やわらかい感触のあとで、じゃり、と不快な感触がした。吐きそうになり、とっさに口を押える。
「ちゃんと飲み込むのよ」
使用人を鞭うち、沙代は言う。
眞白は吐き気と戦いながら、涙をこぼし、ごくん、とそれを飲み込んだ。
「あはは! 食べた、友達を食べた!」
沙代は面白そうに腹を抱えて笑う。動きとともに天冠の飾りが揺れ、シャラシャラときれいな音を立てた。
「あんた、生きてる人間より死んだ雉が大切なのね」
沙代はなんども鞭打ち、使用人は頭を抱えて地面に伏せている。
「やめてください! 鞭を打つなら私を!」
土下座をする眞白に、沙代は、ふん、と鼻で笑う。
「やめてほしかったらそれを食べるのよ」
土にまみれた肉団子を指さし、沙代は言う。
「お願い、食べて!」
使用人が悲鳴を上げる。
眞白は震える手を伸ばした。
食べないと、この人が苦しむ。この人はきっと、沙代ではなく自分を恨むだろう。
そんなことを思いながら肉団子を手にする。
かつての愛らしい友であったなど、想像もつかない姿になってしまった。
「早くったら!」
急かす声に、肉団子を口に入れる。噛み切ると、やわらかい感触のあとで、じゃり、と不快な感触がした。吐きそうになり、とっさに口を押える。
「ちゃんと飲み込むのよ」
使用人を鞭うち、沙代は言う。
眞白は吐き気と戦いながら、涙をこぼし、ごくん、とそれを飲み込んだ。
「あはは! 食べた、友達を食べた!」
沙代は面白そうに腹を抱えて笑う。動きとともに天冠の飾りが揺れ、シャラシャラときれいな音を立てた。



