その週の水曜日。昼休みに悠真と話していると、クラスの女子たちが少しだけざわめいた。

「ねえ、あれって……」

「付き合ってるのかな?」

結衣は気づいた。いま、ふたりは“周囲から見られている”。

「……大丈夫?」

「うん。でも、少しだけ怖い」

付き合っているとわかると、好奇の目も、意地悪な噂も、時にはついてくる。

その日の放課後。廊下ですれ違った女子が、わざとらしくため息をついた。

(……私が悠真くんと並んでること、よく思わない人もいる)

結衣は、悠真に迷惑をかけてしまうのではないかと、ひとり悩み始めていた。

でもその夜、悠真から届いたメッセージ。

「どんなときでも、俺は君の味方だよ」

その言葉が、何よりも胸にしみた。