臆病なきみに綴る彩りの言葉

 目は口ほどに物を言う。

 この世で一番きらいな言葉。そして、この世で一番正しい言葉。
 私を見ているのに、私を映していない。
 私に笑いかけながら、あの子のことを考えている。
 熱を帯びた瞳が期待するのは、目の前に立つ私なんかじゃなくて。
 嬉しそうに私の名前を呼ぶのは、その名前に私以外の価値があるからで。
 どうして私は「私」に生まれてしまったんだろう。
 生まれ落ちた場所がほんの少しずれていたら、それだけで輝かしい人生が保証されていたというのに。
 
 ——あっ……
 ほら。そう思ったときには、もう遅い。