卓司はまだ１０代後半で、質屋はここらへんでは一番の銭持ち、そして芳治は女と見まがうほどの美しい見た目の男だという。
松さんを併せて４人の男を前にしたとき千尋は呆れて開いた口がふさがらなかった。

義理母は金と見た目さえあればどんな男でも見境ないらしい。
更に驚いたことに松さん以外の３人の男たちは義理母の離縁後に付き合いはじめたらしく、自分以外の彼氏がいることをまったく知らなかったのだ。

義理母に娘がいることも、離縁した夫がいることも知らない３人はそれを聞いただけで顔を真っ赤にして憤った。
「なんだあの女、すっかり騙しやがって！」
「子持ちの女に騙されていたんでボクの人生はもう終わりだ」