唯の後から篤志くんが登校してきて、唯の姿を確認すると安心したように笑みを浮かべて近づいて行った。
あんなやつもうどうでもいいのに、胸の奥を針で突かれたような不快感が襲った。
ふたりは肩を並べて教室から出ていく。
これからのことを話すんだろう。

私は窓の外へ視線を向けた。
雨雲が頭上をずっしりと覆い隠して今にも雨が降ってきそうだ。
雨音に合わせて叫べたら、どれだけ清々しいだろう。

だけど私にはそんなことをする勇気はない。
到底唯にはかなわない。


END