駆け寄ってきた唯を片手で突き飛ばして罵倒する。
その目は釣り上がり、まるで汚物でも見るような目をしている。
「で、でも私裏アカを晒されちゃって。ねぇお母さん、助けてよ。私どうすればいいの?」

必死にすがりつく唯の目には涙が滲んでいる。
この年令でこうして素直に親に助けを求められることに驚いた。
けれど、唯の母親はその言葉を半分も聞いていなかった。

「自業自得よ。自分でなんとかしな」
それだけ言うと、座り込んでいる唯を残して彼氏と共に歩き去って行ったのだった。

☆☆☆

謝ってほしいんだ。
篤志くんに言われた言葉が何度も頭の中で反芻する。
篤志くんは唯の家庭事情を知っていたのだろう。