「もっちり系クレープもいいけど、パリパリ系もいいよね」
そんな話をしながら行き先も決めずに歩く。
辺りには私達みたいな暇を持て余した若い子たちが沢山闊歩している。

その中でひときわ目立つおばさんが歩いているのが目に入った。
50手前くらいに見えるその人はミニ丈の濃いピンク色のワンピースに、10センチ以上ありそうな白いハイヒールをはいて、若い男の腕に自分の腕を絡めさせている。
「うわ、あれすごいね」

薫子がクスクスと笑って言った。
確かにすごい光景だ。
自分の外見を理解していないのか、ピンク色のワンピースにはフリフがふんだんに使われている。