俺の能力、便意操作なんだが

「なんだお前ら、お前らも全然根性ねぇなぁ。殴らねぇって言ってんだからこいよ。息子に色々教えれねーじゃねぇか」

親父がそう言うと、最初にデコピンされたやつがポケットから折りたたみナイフを出してきた

「おらぁ、ふざけやがって…ぶっ殺すぞ」

そう言ってナイフを親父に向ける

「お前なぁ、たかが喧嘩でナイフなんて出してんじゃねえよ。ポケットにナイフ入れてイキがって、強くなったつもりかぁ?ダセェなぁ」

親父は相手をめちゃくちゃ煽る
危ねぇぞ

「それにな、ナイフ見せびらかしてねえで、刺せよ。俺なら何も言わずに刺してるわ。結局お前は『お願いぃ、ナイフにビビってくれぇ』って脅そうとしてるだけだろ?恥ずかしい奴め」

「マジでぶっ殺してやる!」

親父の言葉にキレたのか、そいつはナイフを振り回して親父に近寄っていく

「ナイフ持った相手にはな、まぁ色々方法はあるんだが…まず…」

親父はそう言いながら、相手がナイフを持ってる右手を、下からものすごいスピードで蹴り上げた

相手の右手は衝撃で、上の方に弾かれる
そしてナイフを手から離してしまい、ナイフは空中でクルクル回り、下にガチャッと落ちた

「こうやって持ってる手を蹴る方法だな。まぁ、でもこれは難しい、お前にゃ無理だ」

そして親父は落ちてるナイフを拾い、右手を蹴られておさえてる不良に渡した

「ほら、もっかいこい」

そう親父は言ったが相手はビビってしまってるのかナイフを持たされたまま動けなくなってしまった

「なんだよ、教えられねぇだろ。こいよ」

そう言って相手のナイフ持ってる手を掴み、自分に引き寄せる

「や、やめろよ」

ナイフを持った不良がもうビビって逃げ腰になっている

「マジで根性もなんにもねぇな。つまんねー」

親父はそいつの手を離し、振り返って俺の方を見た

そのとき、親父の後ろからバットを持ったやつが振りかぶってスイングしようとしてるのが見えた

あぶない!

そう俺が叫ぶよりも先に、親父は体を捻って
とてつもないスピードで相手の腹へ蹴りを放つ

その男はバットを持ったまま、後ろに吹っ飛んで倒れ、ピクリともしなくなった

「あ、やべ」

親父はそうボソッと言った後、俺の方を向いて

「どうしよ…父さん、暴行罪で捕まっちゃうかも…」

と焦った顔でそう言った

「おい…ユウキ死んだんじゃねぇか?」

そう不良の誰かがそう言って、シーンと不穏な空気になる

ゴホッ、ゴホッゴホッと親父に蹴られたやつが咳き込んだ

「せ、セーフ!」

と親父は嬉しそうに言う

おい、暴行罪じゃなくて殺人罪になるとこだったぞ!!

「セーフじゃねえぞ!手出さないって言ってたのに嘘つき野郎!」

不良達が野次を飛ばす

「な、殴らないって言っただけだもん。蹴らないって言ってないし…」

親父がそう言い訳するが、野次は止まらない

「うるせぇ!言い訳すんな!卑怯者!」


親父がピクっとした

「あ?卑怯者?誰が卑怯者だって?」

親父の威圧で全員が黙る

「人数で囲んだり、道具使おうとするやつが卑怯者じゃねぇのかよ。女の子に乱暴しようとするやつのほうが卑怯者じゃねぇのかよ!」

誰も何も言えない

「おい、お前。お前だろ、うちの息子殴ったの」

そう言って、さっき俺を殴った男の方を親父は見た

「あんな息子でもなぁ、殴られたって聞いたとき、俺はかなりムカついたんだ。覚悟はできてるんだろうな?」

その男は震えながら

「す、すみませんでした。勘弁してください」

と声まで震えて、そう言った

「俺を誰だと思ってるんだ…俺は桜庭英二(さくらばえいじ)だぞ」

偽名使った!
なんか急にキャラ変わったと思ったら偽名使いやがった

「お前ら全員覚えとけ。次悪さしてるの見つけたら、この桜庭英二様が二度と起き上がれねぇようにしてやる!わかったか!」

『はい!』

不良達は声を揃えて返事した

「よし、じゃあ行くか」
と、親父は俺に言ってその場を去ろうとした

俺は振り返ると、さっき親父が蹴ったやつがまだ起きてない

「おい、親父。あいつ大丈夫かよ」

親父は倒れてる奴を見て

「当たる瞬間、咄嗟にかなり抑えたから大丈夫だろ。まぁアバラ2本くらいは折れてるけど」

「そ、それ重傷じゃねえかよ」

「知らん。桜庭英二がやったことだ」

………は?

「い、いや、さっきからそれ誰だよ!偽名使ってんじゃねえよ」

「あん?昔の相棒」

マジかよ…
親父はとんでもねぇやつだ

ふざけてるけど
とんでもなく強ぇ…