俺の能力、便意操作なんだが

玄関を出て、スマホの時計を見ると21時は少し過ぎていた

俺と如月は慌ててお父さんの車のとこまでいく

如月と俺が来たのがわかったのか、如月のお父さんは車から降りてきた

「お父さんごめん。あたしがちょっと忘れ物しちゃって、それで遅れたの」

如月が、俺のせいにしないように、少し焦ったようにそう言った

「美琴…浴衣、それどうした?」

「これ、柊くんのお母さんが貸してくれたの。せっかく夜祭に行くんだったらって」

「そうか。すごく似合ってるよ!ちゃんとお礼言ったのか?」

「うん。時間なくて着替えれなかったから…このまま借りて…帰る…」

如月のお父さんは、フッと笑顔になって

「よっぽど楽しかったんだな。柊くん、君のお母さんにお礼を言っといてくれないか」

と言った

「はい。あ、あの…遅れてすみませんでした…」

「まぁ、少しだし大丈夫だよ。じゃあ美琴帰るよ」

そう言って俺に手をあげ、如月のお父さんは運転席に乗り込んだ


如月と目が合う…

2人何も言わず見つめ合っている…

手を伸ばしたら届く距離なのに…
帰したくないのに…

如月は
「今日は楽しかったよ…またね」
とニッコリ優しく微笑んで車のドアをあけて、車に乗り込んだ

車のガラス越しに如月と見つめ合う

如月が小さく手を振ると、車は発車して、すぐに遠くに行ってしまう

俺はずっと車のテールランプを見ていた


車が見えなくなると、俺は1人寂しく家に戻る
でも俺は決めたことがある

家に戻り、リビングで1人ビールを飲んでる親父に声をかける

「親父、どうしたらいい…どうしたら強くなれる?」

俺は強くなる!如月を守れるように



「とりあえず走れって言っただろ。瞬発力と体力つけろ」

「わかった。今から走ってくる」

「今からかよ。遅いし明日からでも…」

「じゃあ明日にするか。ってするほど呑気じゃねえんだよ。強くなるって決めたんだから今からやる」

「わかったよ。父さんも付き合ってやるか。最近体もなまってきたし…それにお前のそういうとこ嫌いじゃねえし」

親父は立ち上がり、俺に近づいて俺の左頬を触った

「さっきから気づいてたんだが、殴られたのか?…この殴られ方は美琴さんじゃないな…格闘技経験もないガキか…」

「見てわかんのかよ」

「あぁ、赤くなってるとこが大きい。女の子の手じゃないし、俺ならアゴを狙う。つまりは素人、ガキの喧嘩だな」

くそ…たしかに親父の言う通り
そのガキの喧嘩でたいしたこともできなかったんだ

「ただ、お前能力使わなかったんだな。能力に頼らず自分のチカラでなんとかしようとしたのは素直に褒めてやる。偉いぞ」

「う、うるせぇ!いいから早く走りに行こうぜ」

少しの照れを隠すためにそう言った

そして俺と親父は家をでた