俺の能力、便意操作なんだが

あたしは部屋に戻るとすぐに鏡を見る

まだ顔が赤い…

さっきの出来事を思い出し、唇に触れる

あの感触をまだハッキリと覚えている

借りたまま着ていた浴衣を脱いで部屋着に着替えた

それからあたしはベッドに飛び乗り、クマさんのぬいぐるみに抱きついて足をバタバタさせた

そしてクマさんをジッと見る…

あのときの柊晴翔の顔を思い出しながら、クマさんに顔を近づけ、直前で止めた

少し考えてからスマホを操作して電話をかける

『もしもし美琴?どうしたの寝るの?』

電話口からママの声が聞こえてきた

「まだ寝ないよ」

『あー、さては柊くんだな?』

「ち、違うわよ!ママいつ帰ってくるんだっけ?」

『明後日帰るよ。それだけ?』

「あ、あとは…えーと…」

『フフフ。柊くんとなにかあったわね?もしかしてエッチしちゃった?』

「す、するわけないじゃない!!キスまでよ!!」

あ、勢いで言っちゃったわ…

『えー!?やーん!美琴もやるわね』

「あ、アイツが…して欲しそうだったから仕方なくよ…仕方なく!」

『素直じゃないなぁ。で?どうだったの?初キ・ス』

「た、たいしたことないわね…」

そういいつつも顔が熱くなり、また唇を手で触る

『やーん!美琴が可愛すぎるんだけど!話したくて仕方がなくてママに電話してきたんでしょ?』

「ち、違うわよ!あ、あぁ!お、思い出した!お父さん!お父さんと、ちゃんと仲直りしてよね!!そ、それ言おうとしたんだった!!」

『あぁ…すぐ健一くんに仲直りのLINEしたわよ。健一くんとなにか交渉したんでしょ?美琴がああやってLINE送ってくるから、すぐわかったわ』

「アイツが夜祭…あたしと行きたいって…だから遅くなるし…」

『あー、なるほどね。夜祭か…楽しかったでしょ?美琴を連れて行ったことなかったもんね』

「うん…すごく楽しかった…」

『それで2人は燃え上がってチューしたってわけね。それはもう熱いチューを』

「ママ、あんまりからかわないでよ!アイツのお父さんにも会ったけど、その話教えてあげないわよ」

『え?柊先輩にも会ったの?なんで?聞きたい!』

「あのね…」

「おーい美琴ー!お風呂入らないのー!?」

お父さんの声が聞こえた

「今入るー!!」

あたしがそう言うと、ママは

『ほんと健一くんってタイミングよく邪魔してくるわよね!美琴、早くお風呂入ってきなさい。そしたらまたママに電話ちょうだい。今日は恋バナで盛り上がるわよ』

と言った

あたしは笑いながら
「わかった。じゃあまた後でね」
と言って電話を切った

着替えなどを持って部屋を出ると、お父さんがいた

「なぁ美琴。もしかして今美里さんと電話してた?」

「うん。ママと電話してたわよ」

「お父さんのこと何か言ってなかった?」

「言ってたよ。お父さんと仲直りしたから早く会いたいって」

「ほ、ほんとか?」

「うん。ホントよ」

「そ、そうか!うん。美琴ありがとう。さっ、お風呂入ってきなさい」

さっき少し待たせちゃったから、このくらいの嘘で喜ばせてあげなくちゃね

あたしはお風呂場に向かった