俺の能力、便意操作なんだが

「はぁ?ブヨブヨの腹したオッサンが高校生に勝てるわけねぇだろ」

「父さんな、キャッチボールするのが夢だったんだよ。でもお前は野球に興味もないし、まぁ父さんも野球できないけど…」

「何言ってんだ?」

「だから柊家式のキャッチボール…"組み手"だ。かかってこい」

親父はそう言いながら立ち上がり、クイクイッと手招きした

「はぁ?マジで言ってんの?怪我するぞ?」

「お前、夜祭行くんだろ?父さんに一発でも攻撃を当てることができたら、お小遣い1万円やるぞ」

おいおい、マジかよ

「聞いたか如月!食べたい物考えておいてくれ!遠慮すんな、今日は俺が全部奢る」

俺がそう言うと、親父の右手がゆら〜っと俺の目の前にきて視界を奪う

次の瞬間、俺の足に衝撃がきたかと思うと、俺は横向きに倒れた

いてっ!!なにが起きたんだ!?
ぜっんぜんわからねぇ!!

ただ…

横になりながら親父を見上げると
ニヤリとしながらメガネをなおしてる

ムカつく!!

俺はすぐ立ち上がり本気で殴りかかる

「目線でバレバレなんだよ」

殴りかかった俺の右手をヒョイとかわしつつ、俺の懐に入る
そして俺を肩で担ぎあげソファに投げ飛ばす

「お前最近筋トレ始めただろ?筋肉痛か?腕が少し下がってるからわかる」

くそぉ!親父のくせに

「ダンベルか?カラダをゴツくしたいならそれでもいいけど、強くなりたいならやめろ。逆効果だ」

「うるせぇよ!!」

俺は親父に近づこうとするが、親父が右足を上げ、近づく俺を前蹴りで牽制する
何度近づこうとしても前蹴りで邪魔された

「自分の間合いに入られたくないなら、こうやって牽制しろ。腕より足の方がリーチがある。あっ…でも晴翔は足短いか…」

「お前に似たんだよ!!」

俺は前蹴りをしてきた親父の足を捕まえて、引っ張ろうとするがビクともしない
そのまま足の力で、掴んでいた手を振りほどかれた

「足は腕の3倍の筋肉と言われている…だから…」

すごい風圧とともに、親父の右足が俺の目の前でピタっととまる

「鍛えるなら足だ」

マジかよ…全然見えねぇ

「ん?こないの?なら父さんから行くぞ」

目の前にある親父の右足がゆっくり元に戻っていくと、急に視界から親父が消えて後ろから声が聞こえてくる

「戦闘において大事なのは瞬発力だ。いらねえ筋肉つけて体を重くするな」

俺は慌てて振り向くと親父の左手が俺の顔を包み視界を奪う

「視覚に頼りすぎるな。気配ってのは本当にあるからそれを感じろ」

俺は親父の左手を掴み払いのける

すると、親父の後ろに如月が立ってるのが見えた

次の瞬間、如月の右足が親父の後頭部めがけてハイキックを放っているのが見えた

親父は後ろに目でもあるのかのように、如月の攻撃に気づきしゃがむ

行き場を失った如月の右足は俺の顔面へ、そのまま飛び込んでくる

あ…パンツ見え…

ブブォ!
俺の左顔面に衝撃がきて、俺は右に吹っ飛んだ

ピンク…これが俺の遺言だ…