俺の能力、便意操作なんだが

俺が先に玄関に入りドアを押さえておく

如月は
「お邪魔します」
と言いながら玄関の中に入った

ドタドタと足跡が聞こえ、リビングの扉が勢いよく開き、オカンが飛び出してくる

オカンと如月が目を合わせた

「あ、あたし、きさら…」

如月が自己紹介しようとすると、オカンは俺の頭を掴んで無理やり頭を下げさせた

「すみませんでした!!ウチの息子が!この親不孝もんが!!」

そう言って俺の頭をバシバシ叩く

「いてっ!おい!やめろ!痛っ!なにしてんだよ!」

「お前、人様のお嬢さんを!!誘拐なんて!」

「ば、バカ!んなわけねぇだろ!!」

「あんた!そういう本隠し持ってるの知ってるんだからね!!!」

「おいババァ!息子の性癖さらっと暴露してんじゃねえぞ!!」

「あ、あのう…あたし柊くんの同級生で…」

如月がそう言うと、オカンが動きをとめる

「晴翔の?同級生?」

「はい…如月美琴といいます…だから誘拐とかじゃ…」

「あんた!こんな綺麗な人来るんだったら言っておきなさい!!何も用意してないじゃない!」

そう言ってまたバシバシ叩いてくる

「いてっ、言っただろ!1時間前に!」

「友達って、鼻垂らしたクソガキだと思うじゃない!!」

「高校生だぞ!鼻垂らしたガキなんか連れてくるかいっ!!」

「だったら『お母さーん。めちゃくちゃかわいい女の子連れてくるからケーキとかなにか高級なもの用意してぇー』とか言いなさいよ!」

そんなやり取りをしてると

フフフフフと如月が口を手で抑え、笑いをこらえた

「あ、ごめんなさい。なんか素敵だなって」

如月がそう言ってくれたから、オカンも叩く手をやめて

「ごめんなさいね。さぁさぁ汚い家だけど、あがってー」

とニッコリ笑顔で如月を招き入れた


「あ、部屋、二階だから」

俺がそう言って誘導しようとすると

「あんたの部屋エアコンないでしょ!?リビングなら涼しいからリビングにいらっしゃい」

と余計なこと言いやがる

「なによその顔。あんたもしかして、わざと暑い部屋に入れて『暑いから上着脱いじゃお』みたいなこと考えてるんじゃないでしょうね!!」

ぐっ…さすがに息子のことはお見通しなのか…

如月を見ると、如月も変態を見る目で俺を見てた

「美琴ちゃん…だったわよね。さぁこっちこっち、涼しいわよ」

そう言って如月の腕をオカンが引っ張る

リビングに案内すると如月をソファに座らせる


「本当に綺麗ね〜。私の若い時くらい綺麗だわ〜」

とオカンが如月を眺めながら言う

嘘つけ!若い時の写真みたことあるけど全然たいしたことなかったぞ
なんでオヤジはこんなやつ選んだんだ

「それで美琴ちゃんは、晴翔のなに?恋人は絶対ないから、ご主人様かしら?」

なんでそんなに自分の息子を過小評価するんだよ!!

「柊くんとは…と、友達です」

「えー、ヤバーい。ウケルー」

「おい!ババァが若者言葉使うんじゃねぇよ!!てか早くどっか行けよ!いつもの集まりあるんだろ?」

「あぁ!そうだった!高松さんとこいかなきゃ」

そう言いながらなぜかキッチンに行って包丁をもってきた

「はい、美琴ちゃんこれ」

そう言って包丁を如月に握らせる

「なにかあったらそれで刺して。一応息子だから心臓はやめてあげて〜狙うなら目よ」

お前、ほんとに俺の親か!!

「それじゃあ美琴ちゃん。またねー」

そう言ってドタバタして家から出ていった