俺の能力、便意操作なんだが

結局その日はもう白守美里も組織の人も俺のところにこなかった

次の日からは何事もなかったかのように白守美里がきたが、やはりどことなく元気がない

相変わらず嘘が下手くそな女だ


それから何日かしてから白守美里が退院し、俺も一緒に病院をでた

あれからほぼ毎日のように俺の家の近くで待ち合わせして会っている

ご飯食べにいったり、昨日みたテレビの話をしたり、組織の話をしたり

正直すごく楽しかった
白守美里といればこっちまで明るくなる

俺もだいぶ慣れてきて、今では"白守さん"ではなく柊さんと同じように"白守"と呼ぶようになった

さすがに"美里"と呼ぶのはな…


ある日のことだ

いつものように電話で今日会う時間と場所を決めようとしていた

「え?パートナー決まりそうなのか?」

『うん…。パートナー候補だってさ。組織が勝手に決めたっぽいんだけど、ちょっと顔合わせしなきゃいけなくて』

モヤっとした気持ちが芽生えたのがわかった

パートナーが決まれば、また前線に戻っていく

それに…

「そ、そのパートナーって男か?」

自分でも気持ち悪いと思った

『うん。しかも年下だよ?ハタチの男の子。ピチピチすぎてあたしなに話していいかわかんないよ』

モヤモヤがたまる

『だから今日はごめん。何時になるかわからないからアキラくん待たせても悪いし。えーでもあそこのピザ食べてみたかったな』

「でも仕方ないよ…白守は本来の仕事しなきゃな」

『ありがとー。とりあえずこれからどうなるかわかったらまた連絡するね。それじゃあごめんね』

そう白守が言って電話は切れた

俺は携帯の画面をそのまま見てた

別に付き合ってるとかじゃないけど、最近ずっと一緒にいたから…
現実に戻されたみたいですごくイヤな気持ちになった

俺は布団の上に転がって、なにをするでもなくただ天井を見ていた


どれくらい時間が経ったのだろう
俺の携帯が鳴った

俺の携帯には白守美里しか入ってないし、番号を知ってるのも白守美里と組織だけだ

もちろん電話をかけてきた相手は白守美里だ

俺は慌てて電話に出る

『あー、アキラくん?予想より早く終わったからさ、ピザ間に合いそうじゃない?もしかして、なにか食べた?』

俺は時計を見ると13時をまわったあたりだった

「あぁ…急げば間に合うな。俺は何も食べてない」

余裕のある言い方で返した

『今アキラくんの近くまで送ってもらったから、アキラくんの家まで行くね』

ダメだ…気になって仕方ねぇ

「へぇ…誰に送ってもらった?」

『新しいパートナーに決まった子。今度アキラくんにも会わせるね』

モヤモヤがすごい勢いで溜まっていく

「なんだよ。そいつと飯でも行けばよかっただろ」

最悪なことを言ってしまった…

『アキラくん?どうしたの?ご飯はアキラくんといく約束したんだから…』

「パートナーできたらまた前の業務に戻るんだろ?毎日俺を見に来なくてもよくなるし…よかったな」

もうこうなったら止まらなくなる

『とりあえず家についたから切るね。外に出てきて』

電話が切れた

なにやってんだ…
完全にガキの駄々っ子だ…

俺は動かずにいた