俺の能力、便意操作なんだが

「俺から能力が消えてる?いや、今はそんなことより、白守!!そこら辺に消火器あるはずだ!探せ!桜庭が来るまでそれでなんとかするぞ」

「そんなことしてたら間に合いませんよ…」

部屋の物にも火が燃え移っている

どうしたらいいんだ
助けて…助けてくれ

白守美里は持ってきた大きい水のペットボトルを開けると自分の頭から水をかぶった

「バカッ!!お前なにしようとしてんだ!いいから下がってろ!!」

柊さんがそう言うが白守美里は真っ直ぐこっちを見てゆっくり近づいてくる

だめだ白守さん…危ない

「アキラくん。大丈夫、落ち着いて。初めてだから不安なんだよね?わかるよ…だから落ち着いて」

そう言いながらゆっくり俺に歩みを進めてくる

「だめだ!白守さん!近づかないでくれ!」

俺がやっとそう叫ぶも
白守美里は俺の目の前まできて、俺を抱きしめた

「ほら、大丈夫。あたしもいるから安心して…」

白守美里が俺の胸の中で優しくそう言うと
俺の視界は真っ白になった



───アキラ…大丈夫

母さん…

───大丈夫…お母さんいるから安心して

あの日の温もり…

俺が小学校のとき…虐められて泣いて帰ると
いつも母さんは俺を抱きしめてくれた…

中学からは虐められることはなくなったが、みんな俺に興味もなく、空気のような存在になった

いつも笑顔だった母さん…

家にいるときだけは俺は存在してると実感できてたんだ…

なのに…なんで母さんが…
なんで母さんが事故にあわなきゃいけないんだ!!

───アキラ…大丈夫だからね……あなたは一人じゃない…

母さん…
温かい…抱きしめてくれてありがとう


ハッと目を覚ます

天井が見える…
どこだ、ここは…

気がつくとベッドの上で寝ていた

「あ、気がついた」

声のする横をみると看護師らしき服をきた女がいた

ここは…病院か…

「相澤さん、覚えてます?また能力が暴走したらいけないので今人を呼んできますね。勝手に動かないでくださいね」

そう言ってその女は病室を出て行った


そうだ!思い出した
急に体が燃え上がって…

白守さん!白守さんはどうなったんだ?

いてもたってもいられず俺はベッドから降り、病室を出た

廊下に出て隣の病室に近づくと声が聞こえる

「このバカ!お前死ぬとこだったんだぞ!」

柊さんの声だ

病室のドアの隙間から中をこっそり覗く

柊さんと、ベッドで横になってる白守美里がいた

「もう!先輩。説教ならあとにしてくださいよ!」

「いや、今回ばかりはダメだ。お前に治癒能力も効かないんだぞ!無茶しやがって」

「でもでも、幸い顔は綺麗なままですよ!体は跡が残るみたいですけど。あっ!てか先輩あたしの裸見ましたよね?服燃えてボロボロになっちゃったし…どうでした?あたしのカラダ。結構イケてる…」

「ふざけてんじゃねぇぞ白守!!お前は嘘が下手くそなんだ!震えてるじゃねえか!怖かったんだろ!?」

「怖かったですよ!うっ、うぅ…あ、あたし…怖くて…」

白守美里の目から涙が溢れてきてる

「バカやろう…素直にそう言っとけ。強がんじゃねぇよ…」

「うぅ…でも…あだじより…アキラくんの方が…も、もっと怖い…とおもって…うぅぅ」

「お前のそういうとこ嫌いじゃねぇけどよ…今回ばかりは褒められねぇ。俺の相方だろ?相方に心配かけんじゃねぇよ」

「ごめんなさいぃ…ぅ…うぅ…」

「とりあえず今日はゆっくり休め…」

「先輩…あたしね…こんなんでもね…将来お嫁さんになりたいって思ってたんだけど……こんな体でお嫁さんになれるかなぁ…」

柊さんは白守美里の頭に優しく手を乗せて

「バーカ、お前は"イイ女"だからそんな心配すんな。お前をお嫁さんにしたい男なんて星の数よりたくさんいるぜ」

と静かに言った

白守美里は震えながら泣いていた…

隠れて黙って見てた俺はもうその場にいれない感情になり
静かに自分の病室に戻った

ベッドに座ると色々な感情がぐるぐる回る

それから少ししてからさっきの看護師と、おそらく組織の人間が何人かきたけど、あまり覚えていない

ただ…もっと強くなりたいと思った