昼休みも終わり5限目
体育の授業
日も照りつける中、男子はマラソン
女子は水泳
これ差別だろ!なんでこのクソ暑いなかマラソンなんだよ!死人がでるぞ
ちくしょう。女子はプールかぁ
いいなぁ…女ってだけで如月美琴の水着を拝めるなんて
そんなことを考えていると
変なとこが元気になってきた
「よーし、とりあえずグラウンド10周いくか」
そう先生がいうとマラソンが始まったが俺は前屈みになって上手く走れない
周りをみると何人かも同じように前屈みになって走っていた
男って俺も含めアホや……
無事体育の授業も終わり、休み時間
うわー汗くせー、そんなことを思ってると
ホワンとほのかにいい香りが
ん?とおもった瞬間
「柊くん」と聞き覚えのある天使の声が
慌てて振り返るとそこには如月美琴がいた
ひ、柊くん?今呼んだ?俺を
やべー、俺来世の幸運も使ってる
「な、なにぃ?」
あわあわしながら俺の声は裏返った
そしたら如月美琴が近づいてきて俺の耳元で
「話があるんだけど放課後体育館の裏にこれる?」
と小声で言ってきた
すげーいい匂い…一生嗅いでいたい…
「柊くん?」
あ、やべー完璧天国に片足突っ込んでたわ
「う、うん大丈夫だよ」
俺がそう言うと
「良かったぁ…あ、他の人には言わないでね?恥ずかしいから必ず1人で来てね」
そう言ってニッコリ笑い
コクコクと頷くことしかできない俺に
「じゃあ放課後ね」と手を振って如月美琴はその場から去った
え?え?これって…もしかして…告白!?
いやいや、落ち着け!よく考えてみろ
よく考えても告白だよな?この展開
てか告白しかなくね?やばぁ
そういや俺汗くさくなかったかな
てか美琴めっちゃいい匂いしてたなぁ
あ、美琴って呼び捨てにしちゃったw
まぁどうせいずれ呼ぶことになるし
みんなすまんなー。俺幸せになるわ
そういやどうせこの物語はコメディって言ったよな?
違うね、この物語は冴えない男と絶世の美女のラブコメだ。神様ありがとう
完璧俺は有頂天になっていた
有頂天な俺だったが、6限目の途中とんでもないことを思いついてしまった
それは、もしかしてドッキリ?ってことだ
あの如月美琴が俺に告白とか本来ならありえない。いくら自分でもそこはわきまえてる
もともと仲良いとかならまだわかるが、話したこともないし、顔なんて普通だし
ドッキリの方が可能性高くないか?
でもあの如月美琴が人をバカにするようなドッキリやるか?やっぱり告白か?
いや、もし誰かに脅されてとかなら
俺の頭は混乱している
もしだ、もしドッキリだったとしてその時はどうする?
どう返すのがカッコいいんだ?
そんなことを考えてると6限目が終わり、HRが始まった
まぁいい、もしドッキリだったら…
俺を罠にかけたやつ全員トイレに送ってやる
そしてHRが終わり放課後になった
如月美琴の方をみると相変わらず他の女達に囲まれてなかなか動けなさそうだった
俺はドッキリだったときの決め台詞を考えながら体育館裏に向かった
体育館裏は日陰になっていて薄暗く、暑い日だったが風が心地よかった
柊くん。好きでした…付き合ってください
そう言われ、俺がOKを出すとどっかから人がゾロゾロ集まってきて
ドッキリ大成功ってなるんだ
そしたら俺は、如月美琴以外の全員を便意レベルマックスにする
そしたらみんな漏らしたりして阿鼻叫喚
そして決め台詞、やれやれ臭いのはドッキリだけにしてくれよ
決まった…これカッコいいか?
てかドッキリだったときのことだけ考えてる俺って…
泣けてくる
そんなことを考えてると
「ごめん、柊くん遅れちゃった」
と如月美琴がきた
「い、、いやぁ、全然大丈ビだよ」
また声裏返ったー
「あのね…柊くん」
そう言いながらゆっくり如月美琴が近づいてくる
さあどっちだ?ドッキリか?告白か?
こーくはく!こーくはく!
如月美琴が俺の目の前にくると
「オラッ」
聞いたことのないドスの効いた声と共に
ドゴッ
俺のお腹に衝撃がくる
如月美琴が俺へマイクタイソン顔負けの腹パンした
うぐっ…なんで?なんであの如月美琴が?
しかもオラッって言ったオラッて
オラッって人殴るときにしか言わないよね?
「ちょ…如月…なんで?」
俺はうずくまりながら如月美琴に聞く
「柊ぃ晴翔ぉぉ!あたしの下着を返せ!」
聞いたことのない如月の声に思わず顔をあげる
如月が拳を振りかぶってもう一発パンチを繰り出してきた
その軌道は明らかに俺の顔面だ
あぶねっ
ほんとのスレスレのところでなんとかかわした
「ちょっと待てって!下着ってなんのことだよ」
俺はそう言うが
「白々しい…全部知ってんのよ。あんたがさっきの体育の時間あたしの下着を盗んだこと」
そう言って如月は睨みつけてきた
「いや、ホントにわかんねーんだよ!なんのことだよ!とりあえず一旦落ち着けって」
そう言いながらも俺も落ち着かなきゃ
何があったんだ?下着?
ん?下着が盗まれたって、それじゃあ今如月美琴は…
そう思ったら自然と如月美琴の胸のあたりに目がいき、そしてスカートの部分に目がいくと
生足がすごい勢いで近づいてきた
ドゴッ
ものすごい衝撃が顔面にくる
「やっぱり…変態の目つきしてたぞ柊晴翔」
いや、仕方ねーだろとは言いたいものの顔がめっちゃ痛え
なんか鼻から熱いもの出てる…
たぶん鼻血だろう。てか鼻折れたかも
「今すぐ下着を返すか、死ぬかだ」
あの天使の如月美琴がこんなことを言うなんて
てかホントにヤベェ…マジで殺されるかもしれない
仕方ない…今まで如月美琴にやってたことと逆のことするしかねえ
俺は目の前の如月美琴の便意レベルを橙色くらいまであげた
「ち、ちょっとタンマ…」
如月美琴はそう言いお腹をおさえる
「お腹冷えたのかな、あんたのせいで…」
お腹をおさえながら俺を睨みつけてくる
俺は立ち上がり
「一旦落ち着けって、ちゃんと話するならその腹痛治してやる」
そう言うと
「治す?ハッ、そう言ってあたしに触るつもりでしょ?」と言われた
「触らなくてもできるよ。でも絶対殴ってくるなよ?もしまた殴ろうとしたらまた同じ目にあわせるからな」
そう言いながら俺は便意レベルを下げた
「え?嘘?あんたどうやったの?」
キョトンとした顔の如月美琴に俺は聞いた
「さあ、ちゃんと話してくれ。下着ってなんのことだ?俺はホントになんにも知らないんだ」
眉間に皺を寄せて少し怒りながら俺を睨みつけてくる
そしてゆっくり如月美琴は話し始めた
有頂天な俺だったが、6限目の途中とんでもないことを思いついてしまった
それは、もしかしてドッキリ?ってことだ
あの如月美琴が俺に告白とか本来ならありえない。いくら自分でもそこはわきまえてる
もともと仲良いとかならまだわかるが、話したこともないし、顔なんて普通だし
ドッキリの方が可能性高くないか?
でもあの如月美琴が人をバカにするようなドッキリやるか?やっぱり告白か?
いや、もし誰かに脅されてとかなら
俺の頭は混乱している
もしだ、もしドッキリだったとしてその時はどうする?
どう返すのがカッコいいんだ?
そんなことを考えてると6限目が終わり、HRが始まった
まぁいい、もしドッキリだったら…
俺を罠にかけたやつ全員トイレに送ってやる
そしてHRが終わり放課後になった
如月美琴の方をみると相変わらず他の女達に囲まれてなかなか動けなさそうだった
俺はドッキリだったときの決め台詞を考えながら体育館裏に向かった
体育館裏は日陰になっていて薄暗く、暑い日だったが風が心地よかった
柊くん。好きでした…付き合ってください
そう言われ、俺がOKを出すとどっかから人がゾロゾロ集まってきて
ドッキリ大成功ってなるんだ
そしたら俺は、如月美琴以外の全員を便意レベルマックスにする
そしたらみんな漏らしたりして阿鼻叫喚
そして決め台詞、やれやれ臭いのはドッキリだけにしてくれよ
決まった…これカッコいいか?
てかドッキリだったときのことだけ考えてる俺って…
泣けてくる
そんなことを考えてると
「ごめん、柊くん遅れちゃった」
と如月美琴がきた
「い、、いやぁ、全然大丈ビだよ」
また声裏返ったー
「あのね…柊くん」
そう言いながらゆっくり如月美琴が近づいてくる
さあどっちだ?ドッキリか?告白か?
こーくはく!こーくはく!
如月美琴が俺の目の前にくると
「オラッ」
聞いたことのないドスの効いた声と共に
ドゴッ
俺のお腹に衝撃がくる
如月美琴が俺へマイクタイソン顔負けの腹パンした
うぐっ…なんで?なんであの如月美琴が?
しかもオラッって言ったオラッて
オラッって人殴るときにしか言わないよね?
「ちょ…如月…なんで?」
俺はうずくまりながら如月美琴に聞く
「柊ぃ晴翔ぉぉ!あたしの下着を返せ!」
聞いたことのない如月の声に思わず顔をあげる
如月が拳を振りかぶってもう一発パンチを繰り出してきた
その軌道は明らかに俺の顔面だ
あぶねっ
ほんとのスレスレのところでなんとかかわした
「ちょっと待てって!下着ってなんのことだよ」
俺はそう言うが
「白々しい…全部知ってんのよ。あんたがさっきの体育の時間あたしの下着を盗んだこと」
そう言って如月は睨みつけてきた
「いや、ホントにわかんねーんだよ!なんのことだよ!とりあえず一旦落ち着けって」
そう言いながらも俺も落ち着かなきゃ
何があったんだ?下着?
ん?下着が盗まれたって、それじゃあ今如月美琴は…
そう思ったら自然と如月美琴の胸のあたりに目がいき、そしてスカートの部分に目がいくと
生足がすごい勢いで近づいてきた
ドゴッ
ものすごい衝撃が顔面にくる
「やっぱり…変態の目つきしてたぞ柊晴翔」
いや、仕方ねーだろとは言いたいものの顔がめっちゃ痛え
なんか鼻から熱いもの出てる…
たぶん鼻血だろう。てか鼻折れたかも
「今すぐ下着を返すか、死ぬかだ」
あの天使の如月美琴がこんなことを言うなんて
てかホントにヤベェ…マジで殺されるかもしれない
仕方ない…今まで如月美琴にやってたことと逆のことするしかねえ
俺は目の前の如月美琴の便意レベルを橙色くらいまであげた
「ち、ちょっとタンマ…」
如月美琴はそう言いお腹をおさえる
「お腹冷えたのかな、あんたのせいで…」
お腹をおさえながら俺を睨みつけてくる
俺は立ち上がり
「一旦落ち着けって、ちゃんと話するならその腹痛治してやる」
そう言うと
「治す?ハッ、そう言ってあたしに触るつもりでしょ?」と言われた
「触らなくてもできるよ。でも絶対殴ってくるなよ?もしまた殴ろうとしたらまた同じ目にあわせるからな」
そう言いながら俺は便意レベルを下げた
「え?嘘?あんたどうやったの?」
キョトンとした顔の如月美琴に俺は聞いた
「さあ、ちゃんと話してくれ。下着ってなんのことだ?俺はホントになんにも知らないんだ」
眉間に皺を寄せて少し怒りながら俺を睨みつけてくる
そしてゆっくり如月美琴は話し始めた
「移動系なのに便意を操る?なんかおかしいわね」
如月美琴が納得いってないみたいだ
「てかその便意を操るのは自分にもできるの?」
「俺にか?ああもちろんできるよ。便意を上げたことはないけど、下げたことなら何回もある」
「じゃあなんでマラソンのときトイレ行ったの?便意なくせるんだよね?」
ヤベェ!こいつ名探偵か?
「そ、それはその…」
俺がしどろもどろになっていると
「まぁいいわ。能力は嘘じゃないみたいだし、その能力じゃたしかに更衣室の出入りは無理ね」
良かった!また殴られるかと思った
「もしかしてだけどさ、あたしの便意を下げたことある?なんか急にお腹がスッキリしたことが何回もあるんだよね」
これは毎日お前を監視して便意レベル下げてるって言っていいのか?たぶん相当の変態だよな
「あー、何回かある。授業中とかヤバくなったら女の人って恥ずかしいだろうから」
「やっぱりね、色々繋がってきた。学校ではトイレまったく行きたくならないからさ不思議だったんだよねー」
セーフ!なんとか誤魔化せた
「ん?てかちょっと待って」
そう言って如月美琴はなにか考え始め、なにかを思いついたのかだんだんと顔色が悪くなってきた
「どうした?だ、大丈夫?」
あまりの顔面蒼白にたまらず俺は聞いた
「あんたのその便意を調整するやつってさ、便意を上げたやつの便意ってどこからきてんの?」
「え?い、いやわかんない」
「便意下げたその便意ってどこに行ってんの?」
なんだなんだ?そんなの考えたこともないぞ?
「わかんねぇ…」
「あんた移動系の能力者なんだよ…もしかして便意の操作って…体内の便を移動させてるとかじゃないの?」
ん?どういうことだ?
さらに如月美琴は続ける
「例えばAさんの便意をあなたが上げたとするじゃん?そのときどっかの知らない便意が上がっていたBさんの便意が下がる。あなたは無から便を作り出してるんじゃなくて、どっかから便をもってきてるのよ」
あーなるほど!ウンチをテレポートさせれる能力ってことなのか!!
ってダセェ!!!自分の能力を知れば知るほどダセェよ
なんだよウンチをテレポートさせれる能力って
まだ便意を操作できる能力の方がマシだよ
てか如月美琴はやっぱりすげーな
俺の能力のこと俺以上に理解してる
「そうなのかな、全然考えたことなかったわ、すげーな如月」
そう俺が言うと如月美琴の表情はみるみる怒りに変わっていった
「呑気にしてんじゃないわよ!!最悪だよ!あんたあたしのウンチどこにやってんのよ!!返せよあたしのウンチ!!」
そうか如月美琴のウンチをどこかにテレポートさせてしまってたってことか!
チクショウ!それもっと早くわかってたら俺の中に…
「てかさっきあたしの中に入れたよな…知らない人のウンチを…二回も…」
あっ!
「な、なんかゴメン」
「なんかゴメンじゃねえんだよ!!」
ドゴォッ
「ウグッ」
如月美琴の足が俺のみぞおちにヒットする
「もうあたしにお前の能力使うな…」
俺はコクコクと頷くしかできない
如月美琴は声を落として
「あんたぁ、可憐な女子高生汚しちゃったねぇ……あんたの人生終わらせていい?」
と脅してきた
俺は首を横にフルフルさせると
「じゃあ償えよ?」
と如月美琴は俺に凄んできた
「償い?俺はなにをすれば…」
「とりあえず、下着泥棒捕まえるの手伝って」
そう言う如月美琴に
俺はゆっくりコクリと頷いた
なんだか下着泥棒に腹がたってきてた
俺をこんな目にあってるのも全部そいつのせいだ
如月美琴は手を伸ばしてきて俺の手を握って
「んじゃこれからはナカーマってことで」
と言って握手した
あぁ…なんか全ての痛みが消えた気がする
如月美琴の手握ってる
「犯人みつけてぇ」
「み、見つけて?」
痛っ!!!イタタタ
如月美琴の怒りが俺の手に伝わってくる
折れる折れる!
「見つけて燃やすわよ」
そう言ってニッコリ笑った天使は悪魔のようにも見えた
たぶんこの物語はラブコメでもない
サスペンスだ…
「ところで探すったって、どうやって探すんだ?」
と俺は聞いた
「そんなのあたしがオーラを見ればわかるじゃない。紫のオーラの人を探すわよ」
「あぁ…そっか。ところで能力者って結構いるのか?」
「いるわよ。私たちの学校でさえ20人くらいはいるわ。全員を確認したわけじゃないけど」
「そ、そんなにいるのか」
「ええ、でも自分で能力があると気づいてない人も多いわ」
マジか…俺だけが特別だと思ってたのに
これは俺の物語だよな?
だったら俺だけ能力使って無双したりさぁ
そんな物語がよかったよ!
「なにブツクサ言ってんの?行くわよ」
「あ、あぁ…。どこに行くの?」
「犯人は外部の人とは思えないわ。とりあえず校舎にもどってまだ残ってる生徒を見てみましょ」
「お、おう」
とりあえず校舎の中に入り、まずは一階を捜索することにした
一階は一年生の教室が多く、まだ残ってる生徒も結構いた
「てかさ、もう犯人帰っちゃったんじゃない?」
「まぁそれならそれで明日朝から探すわよ。とりあえず今日は残ってる人達だけでも」
結構長くなりそうだ
まぁ俺としては、如月美琴とその分関われるからいいんだけど
てかやべえな、みんなの視線
如月美琴が歩くたびみんなの動きが止まって如月美琴に釘付けになる
すぐ後ろにいる俺のことなんて誰も見てねぇ
「んー、いないわね。次二階行くわよ」
「お、おう」
まぁそんなに簡単に見つからないか
俺たちは階段を登って二階に行く
そして俺たちの教室のある二階に着いたとき
「いたわ!紫オーラ!!」
と如月美琴が叫んだ
いや簡単に見つかるんかい!!
展開はえーよ!
如月美琴が指を指した方を見ると
三階から降りてこようとしてる男がいた
その男はギョッとした表情になり慌てて三階に戻っていった
「なにやってるのよあんた!!すぐ能力使いなさい!腹痛で動けなくするのよ!」
そう言って階段を走って登り出す
「いや、急に言われても!てかまだ本当に犯人かわからないだろ」
そう言って俺も階段を走って登る
「なんでそんなに呑気なのよ、相手も能力者なのよ!先手必勝よ!それにあたし達を見て逃げたわ、犯人でしょ」
いやそれはお前が指さして叫んだからだろ
誰だってビビって逃げるわ
そう心の中でツッコんだ
三階について周りをみる
「いたわ!」
如月美琴が指を指した先に走って逃げてる男
そしてその男は教室へと入って行った
追い詰めた
三年生の教室か
俺と如月美琴はゆっくりその教室に向かう
如月美琴がその教室ドアを躊躇いもなくガラガラと開ける
いや、三年生の教室だぞ!失礼しまぁすとかなんかさぁ
中を険しい表情で見てる如月美琴
「し、失礼しまぁす…」
俺はビクビクしながら弱々しく言い
俺も教室の中をそーっと見る
まだ下校してない先輩方がキョトンとした顔でこちらを見てる
「チッ」
如月美琴が舌打ちをしてペコリと頭をさげて教室のドアをしめた
「いなかったわ」
そう悔しそうに如月美琴は言った
「え?だってあの教室に入るの俺も見たぜ」
「だから能力者だって言ってるでしょ、移動系の!おそらく本当にテレポートが使える能力」
「見間違えとか…そういう可能性はないのかよ。もっかいさっきの教室見てみるか」
「だからあたしはオーラで判別できるの!見間違えるわけがないんだって!それに」
さらに如月美琴は続ける
「あの男が教室に入るの見たときドア開ける仕草もドアが開く音もなかったでしょ?でもあたし達が来た時には閉まってた…つまりは入るフリをしてテレポートしたとしか考えられない」
あんな一瞬のことよく見てるな
さすがは如月美琴ってところか
「逃したけど1つあいつの能力のことがわかったわ。あいつは物質をテレポートさせるのではなく自分自身をテレポートできる能力ってこと」
「ちょ、ちょっと待てよ!そんなのどうやって捕まえるんだ?」
「だからあんたが躊躇なく能力を使えばいいのよ!!まだ犯人と決まったわけじゃないとかそんな呑気なこと言ってないで。十中八九犯人はあいつ、もし違ったらあなたが謝ればいいだけのこと」
なんで俺だけ謝るんだよ!!
てか相手は本物のテレポート能力者だぞ?
俺のウンチをテレポートさせる能力なんかで勝てるのか!?!?
でも如月美琴の言う通りアイツを捕まえるなら一瞬で決めるしかない!
はぁ……やれるのか…不安だ…
とりあえずどうすることもできそうにないから一旦戻ることにした
三階の階段を降りようとすると
「いた!あいつ!」
と如月美琴は階段の下の方を指差した
その先に、さっきの男がいた
男は階段を早歩きで降りようとしていたところだったが如月美琴の声でこちらを振り返り慌てて階段を降りた
その次の瞬間!慌てた男は足がもたつき階段から落ちるように宙に舞った
あぶない!
俺は心の中でそう叫んだが
男が地面にぶつかるというときフッと消えた
目の前で消えたのだ
「え?なんで?」
そう言って不思議そうな顔をする如月美琴
「なんでって如月がテレポート能力だって言ったんだろ?目の前で消えたし、如月の言った通りじゃないか」
「バカ違うわ!そうじゃない!んーもう!いいや、説明はあと!急いで玄関まで行くわよ」
そう言って走りだした
てかどんだけ階段走るんだよ!
今日体育のマラソンで疲れてんだぞ!
そうは思ってもついていくしかない
玄関まで着いたとき俺はもうゼェハァゼェハァしていたが、如月美琴の呼吸はまったく乱れてなかった
「ねえ、変だと思わない?」
如月美琴がそう聞いてくる
「ゼェ…ゼェ…な、なにが?…ゼェ」
「なんでまだ階段のとこにいたのかな…」
「え?ゼェ……な、なにかおかしいのか?…」
「だってテレポートが使えるならもっと安全なとこに飛ばない?なんですぐ近くにいたの?」
ハァハァ…言われてみればたしかに不思議だ
呼吸がだいぶ落ち着いてきた
まだ如月美琴が続ける
「たぶん遠くにいけない理由があるのよ」
「理由?」
「ええ…おそらくテレポートできる能力の制限とかあるんじゃないかしら。」
「制限?遠くまでテレポートできないとか?」
「ええ、たぶんそんな感じね」
すごいとしか言いようがない。なんでこんなに冷静に分析できるのか
「それで、なんで玄関に走ったんだ?」
俺は聞いてみた
「ここだと二階への階段が見えるからよ」
「ん?どういうことだ?犯人は階段で降りてくると思ってるのか?」
「ええ、だって三階の教室で最初に消えたあと三階の階段から降りてるのをみつけたじゃない?」
「あ、あぁそうだな」
「なんで三階にまだいたと思う?短い距離でもテレポートできるなら真下の2階にテレポートした方が逃げれるのに」
「…縦にはテレポートできないとか?」
俺がそう言うと如月美琴はニコリと笑い
「わかってきたじゃないの」と言った
「おそらくあいつのテレポートは上下にはできなくて横移動だけよ」
「横移動だけなら犯人は二階でテレポートしたから今二階のどこかにいるんだよな?だったら二階の階段で見張ってたほうがいいんじゃないか?」
「一応よ。もし縦のテレポートはないっていうあたしの推理が外れてたら縦に逃げられちゃうじゃない」
なるほど、抜け目ない
さすがだ
「ここからは本当にあんたにかかってるんだからね!犯人が階段から見えた瞬間能力使いなさい。一階に降りられたらもう横移動で外にも逃げられるんだから絶対一階に降りる前に決めてよ」
「わ、わかった」
もうやるしかない
2人で階段を見張ってると
「きたわ…」
今度はこっそり俺に言った
しかし階段から降りてきたのは3人組だった
階段から降りてきてる3人組
おいおいどれだよ
さっきチラッと顔は見たけどもう覚えてねえよ
如月美琴はわかるかもしれないけど俺はわからないんだぜ
でも迷ってる暇はない
俺は3人の便意レベルを上げた
無関係の2人、すまん
3人組は苦悶の表情を浮かべ動きがとまる
「でかした!つかまえるわよ!」
そう言って如月美琴は走りだし、俺も走りだした
3人組の中の1人は向かってくる俺や如月美琴を見るとお腹をおさえながらヨロヨロと階段を登り始めた
アイツか!
「逃がさないわ!」
そう言いながら階段を駆け上がる如月美琴
俺も階段を駆け上りながらお腹を抑えて苦しそうにしてる2人の便意レベルを0にした
ごめん!本当にごめん!
俺は心の中で何度も謝った
ふと上を見上げると如月美琴がいままさに犯人に手が届く…
その瞬間に犯人はフッと消えた
惜しい!!!
あと少しだったのに!!!
でも如月美琴はものすごく冷静だった
少し遅れて二階に着いた俺に
「あんたの能力って見えなくなったら消えるとかないよね?」
と聞いてきた
「便意を上げたあとのことか?消えたりはないと思う。俺が下げるかトイレで出さないと」
俺がそう言うとニヤリと笑って
「じゃあ今アイツはどこにテレポートしたかわかるよね?しかもすぐには動けない。追い詰めたわ」
と嬉しそうに言った
ま、マジか
みなさーん、お食事中の方は一旦見るのやめた方がいいですよー
汚い映像が流れるかもしれませーん
如月美琴はスタスタと歩き、男便所を勢いよくバァンと開けた
えぇー!?!?
なにしてんのこの人!!!
トイレの中には無関係であろう人が小さい方の用をたしてた
「き、如月さん!?」
その用をたしてた人はあわてて手も洗わず飛び出して行った
「如月!まてまて俺が行くから」
そう言っても如月美琴は聞かず
スタスタと男便所の中に入って行った
俺も慌てて中に入る
個室が1つ扉が閉まってる
如月美琴はためらわずその個室のドアを思い切り蹴った
ドゴォーン
扉は一発で壊れたみたいで内側にズレている
今度は思い切りドアノブを引っ張った
中には犯人が泣きながら用をたしてた
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」
泣きながら謝る犯人
「あたしのあるもの盗んだよなぁ…出せよ」
怖い!怖すぎる!
俺は鼻をつまんで見守ることしかできない
犯人は泣きながらポケットからなにか水色の布みたいなのを如月美琴に渡した
「上の方も盗んだよなぁ」
「ごめんなさいごめんなさい。ブラジャーはカバンに入ってますぅ」
と言ってトイレの床に置いてあるカバンの中から水色のブラみたいなのを出して如月美琴に渡した
「あー、コイツお前と同じ能力者だから」
そう言って俺を指さした
なんでバラすの!?
そして続ける
「お前の腹痛くなったろ?それコイツの能力。腸の動きを操作できる能力。あたしが命令してコイツが本気出せばお前の腸を破裂させることなんて簡単」
「ひ、ひぃぃぃ」
めっちゃ嘘ついてビビらせてるし
「腸にマーキングしたから、これからはいつでもお前の腸を好きなときに破裂させれる。お前の腸はあたしに握られてるからな」
「ゆ、ゆるしてください!」
なんか少し可哀想になってきた
「とりあえずここじゃクセェからトイレの外で待ってるわ。逃げたらわかるよね?」
男はコクコクコクコクと頷いた
「それじゃあごゆっくりー」
そういうと如月美琴はスタスタトイレの外に出ていった
俺も慌ててついていきトイレを出た
たぶん決着ついたんだよな
少し待ってると逃げずに出てきた犯人
ここはまだ生徒が残ってるからと近くの公園に行くことになった
公園につくと如月美琴は
「んで?お前の名前は?嘘つくなよ」
と言った
「僕は栗山大吉(くりやまだいきち)です。あ、3年C組です」
「栗山先輩さぁ、女の子の下着盗んじゃダメでしょー!?犯罪だよ!?」
如月美琴が凄む
「ごめんなさい、ごめんなさい!」
「んで栗山先輩の能力ってテレポートだよねぇ?」
「は、はい…今日の午後先生から荷物を運ぶように頼まれて、そのときプールの授業があるのを知って、つい魔がさしたというか…」
「いやいや、そういうのをききたいわけじゃないんだよ。栗山先輩のテレポートってどのくらいの距離できるの?」
「あ、あぁ僕のテレポートは少ししか移動できなくて、たぶん10mくらい…」
「だよねぇだよねぇ!例えばさ1階から2階とか2階から1階にとかはできるの?」
「いやぁ、なぜかそれはできないんですよ。上下にはいけないですね」
「ほらほらやっぱりぃ!な?な?すごいでしょ?」
そう言って俺を見てくる
さっきまでの冷静な如月美琴はどこいったんだよ!!
「わかったわかった。すごいすごい。それで?どうするの?」
と俺が聞くと
「え?燃やすって言ったじゃん」
と如月美琴は言った
えええええ!?
マジで燃やすつもりだったんか!
怖い怖いよこの人
栗山大吉を見ると恐怖で震えていた
「ん?あぁ、燃やすって先輩のことじゃないよ?返してもらった下着」
そういってカバンをポンポンと叩く
ビビったぁぁ
「栗山先輩はもういいよ。でももう絶対こういうことしちゃダメだよ?能力だって良い事に使ってね」
そう言ってニッコリ笑う如月美琴
いつもの天使の如月美琴だ
「せっかく返してもらったのに燃やすのか?」
そう俺が言う
もったいねぇ…燃やすくらいなら俺にくれよ
「だって何に使われたかわかんないんだよ?さすがに嫌だよ、お気に入りだったけど仕方ないよ」
まぁたしかにと思ったら
「なににも使ってません!最初盗るときも躊躇ったんですけど、でも如月さんのだしと思って盗みました!でも見れば見るたびに萎えるというかなんというか」と栗山先輩がそう言った
「な、な、萎える?あたしの下着をみて萎える?」
如月美琴がプルプルしてる
怖いよぉ
「はい、だってウサギのイラストが描いてる下着、子供っぽくて無理ですよ。興奮できませんよ!だから安心してください。ほんとに使ってません」
う、う、ウサちゃん???
如月美琴のお気に入りの下着はウサギさん!?
たしかにそれは無理だ!いくら如月美琴でもって…
あわあわあわ…に、逃げて栗山先輩!!
ドゴォォォォ
あぁ…栗山先輩もバカだ(泣)
バイバイ栗山先輩、そこまで嫌いじゃなかったぜ
プルプル怒りで震えている如月美琴に
たぶん読者のみんなが気になってるであろうことを俺が聞くしかない
「なぁ如月」
「なによ」
「下着が盗まれたってことは、今お前ノーブラノーパ…
そこまで言いかけたとき如月美琴の拳が目の前に見えた
やっほー栗山先輩。いまからそっちいくわ
ドゴォォォォォォォォォ
なんにせよ、一件落着だ!!