俺の能力、便意操作なんだが

目を覚まして見慣れない部屋に戸惑う

あぁ…そっか…昨日ここに来たんだ

部屋にある時計を見ると午前8時を過ぎたあたりだった

いつもならもっと早く起きているのに、色々あって疲れてたのかもうこんな時間だ

俺は洗面台にいき顔を洗った
頭がスッキリしてくる

それから歯を磨いていると

ピンポーン

とインターホンみたいな音が鳴った

俺は慌ててうがいをして玄関にいく

そしてドアの覗き穴を覗くと
白守美里と柊さんが立っていた

俺はすぐロックを解除しドアを開ける

「アキラくん、おはよー。ちゃんと寝れた?」

と笑顔の白守美里がそう言った

「ねみぃ…相澤、悪いけどなんか食い物とかくれ。朝は食わないタイプなんだけどアカリがうるさくてさ。最近食うようにしてる」

そう言いながら柊さんが入ってきた

「いや、食べ物っていっても何もねえよ。昨日ずっとここにいたし」

「はぁ?おい白守!お前説明してねぇのか!?」

「ご、ごめんなさい!忘れてましたっ!」

「お前なにしに昨日最後まで残ってたんだよ!バカか?」

なんか少しだけムッとした

「ごめんねアキラくん。じゃあ何も食べてないよね…」

「いや元々俺はあんまり食べないから大丈夫」

なんで俺がフォローしてんだ

「冷蔵庫にはとりあえず一通りの食材と水は入っている。それで自分で作ってもいいし、なにか欲しいものあれば部屋の電話から受付につながるからそれで頼めばいい。こんなことすら言うの忘れてたとかお前いい加減にしろよ」

「うぅ…ごめんなさい」

「お前直接行って、俺のパンとコーヒー、あと相澤の食べ物もなんかもってこい」

「はい!今すぐ行ってきます」

「い、いや、俺が電話で…」

「いいんだって相澤。あいつへの罰だ」

白守美里は慌てて部屋を飛び出していった

クソッ、なんでこんなにイラつくんだ

「柊さん、白守さんもわざとじゃないんだからそこまでキツく言わなくても」

「ん?あぁ、あんなのいつものことだ。ジャレてるだけ」

自分は白守美里に好かれてるから大丈夫だと思ってるのか
クソッ

「柊さん。それで今日はなにを試してみますか?早くやりましょう」

俺はイラつきながらそう言った

「慌てんなって。ゆっくりいこうぜ。今日は様子見に来ただけだし」

「そんな!俺は早く!………」

「早く。なんだ?早くチカラを使えるようになってどうするつもりだ?」

「…………」

「なぁ相澤…このチカラってのは一生付き合っていかなきゃいけないんだ。使い方を間違えたら人生も終わる。だからこんなチカラ無い方が幸せなんだぜ?」

クソッ!!!
自分はチカラをうまく扱えて、仕事もこなして暮らしているからそう思えるんだ
俺がどれだけ…
どれだけ存在意義を見い出したいと思っているかなんて、知りもしないで!


気がつくと俺は柊さんの腕を掴んでいた


「いらないんだったら俺にくれよ…そのチカラと…」

「チカラと?チカラとなんだ?何が欲しいんだ相澤」

白守美里の笑顔が浮かぶ


「あー!何やってるんですか2人とも!!」

白守美里が手にいっぱいの食べ物と飲み物を持って帰ってきた

俺はパッと掴んでいた手を離す

俺は熱くなりすぎてたのか体が燃えるように熱くなっていた

ていうかホントに暑い

すると白守美里の表情が驚いてるように変わっていく

「あ、アキラくん…」

なんだ?暑い…
ものすごく暑い

暑いというか熱い!!
体が燃えるように熱い!!!


俺は自分の右手に視線を落とすと右腕ごと炎に包まれていた

な、なんだこれ!

いや右腕だけじゃない。体全体を炎が包んでいる

「おい!相澤!落ち着け!昨日言ったみたいにイメージしろ!」

な、なんなんだよこれ!!

「おい!お前ら見てんだろ!!早く桜庭を呼んでこっちによこせ!!!」

柊さんが天井を見ながらそう叫ぶ

ジリリリ!昨日と同じく警報器が鳴る

『火災が発生しています。施設内の人は速やかに避難してください』

「くそっ!相澤、こっち見ろ。俺の能力をコピーしたんだ!落ち着いて俺の話を聞け!」


「ち、ちがいますよ先輩…コピーじゃないです…。先輩から能力が消えてます…」

白守美里が驚いた表情のままそう言った