俺の能力、便意操作なんだが

しばらくの間沈黙が走った

「引くわよね…」

沈黙に耐えられず如月がそう言う

なんて声をかけてあげればいいんだ
あの幸せそうな家族の裏にこんな黒いことが渦巻いてたなんて…

前に如月の家に来たときのお父さんの

「あれほど能力者と関わるのはやめなさいって言ってきたじゃないか」

と言っていたのを思い出した

たぶん本当の父親のことがあったのか…色々繋がってきた

俺が何も言わないから如月美琴は立ち上がり

「引き留めて悪かったわ。あと変なこと言ってごめんなさい。あなたならいつもの調子で受け止めてくれると少し期待しただけ…。帰りましょう」

そう言ってその場から去ろうとした

何も言えない俺だけど、このまま帰らせたらたぶんもう、いつもの如月が見れなくなると思い、慌てて立ち上がる

言葉が出てこない。けどなにかしなくちゃと思い如月美琴の手を掴み、自分に引き寄せた

「きゃっ」
っと普段聞いたことのないような声を如月美琴は出した

気がつくと俺は如月美琴を抱きしめていた

「なにしてんのよ…いつものあんたみたくギャグなりなんなりふざけなさいよ…」

そう如月美琴は言うが抵抗はしてこない

「すまん…如月…なに言えばいいか思いつかん。でも受け止めるから…大丈夫だ…」

「なによ…あんた…グスッ…いつもみたく…うぅ…」

如月美琴は俺の胸に顔を埋めながら嗚咽で小刻みに震えている

そのままどれくらい経ったのだろうか…

少し落ち着いてきたのか、俺が少し腕を緩めると、如月美琴はゆっくり俺の顔を見上げる
俺と如月美琴は目が合う

吸い込まれるように俺の顔は如月美琴の顔にゆっくりと近づいていく
如月の目に溜まってた涙は、如月がゆっくり目を瞑ると綺麗に頬を伝っていった

俺も如月美琴の顔に近づけながらゆっくりと目を瞑ると

「おーい!美琴ー!」
と如月のお父さんの声が聞こえてきた

バッと如月を抱きしめてる手を離して目を開けると
如月美琴もバッと目をあけ一歩後ろに下がる

そして如月美琴はすぐ手で涙を拭うと
「お父さーん!」
と言って走って公園の外まで行く

「美琴ー!美里さんが2人で公園にいるって言ってたからさ!!まさかラブコメ展開とかになってないよな?」

「な、なってないわよ!」

「あれ?美琴泣いてる?」

「へ、変態がいたのよ!!」

「なにぃ!?どこにだ!?」

「あ、あそこよ…」

そう言って俺を指さす

いっ!ちょっ!
なんで急にそうなるんだ?ツンデレにも程があるだろ!

「ひぃらぁぎくぅぅぅぅん!!」

見たこともない形相で俺の方に走ってくる

俺はファイナルビッグベンを使おうとしたがやめて走って逃げた

このままモールまで走って行こう


結局そのあとは家まで走って帰ることになった

え?なぜかって?

決まってんだろ

チャリ盗まれてたからだよ!

「マジかよ…俺の青春、チャリごと盗まれた…」