俺の能力、便意操作なんだが

「びっくりしました?なんでセンパイが力のこと聞いてきたのかわからないけど、たしかにわたしにはこういう力があります」


ちょ、ちょっとまて…声を変えれる能力ってことか?

だとしたらさっきの操作された感じはなんだったんだよぉぉぉぉ
くそぉ!俺の煩悩か!理性より煩悩が勝ったってことなのか!!
ちくしょぉ!!男だったら仕方ねぇだろ!!!
仕方ないよなぁ!?


「センパイ聞いてます?」

伊月ちゃんの声で俺は少し落ち着いた

「それで、なんでこんなことするんだ」

「如月センパイですよ。如月センパイをわたしと同じ目に合わせたいんです」

「如月を!?如月が伊月ちゃんになにかしたのか?」

「いいえ、これはわたしの勝手な逆恨みです」


そう言って伊月ちゃんは話し始めた


「わたしね、中学校のとき学校一の美少女って言われてそれはもう男子にチヤホヤされてモテてたんですよ」

それは伊月ちゃんを見ればわかる
俺が引っかかるのも仕方ないくらいに可愛い

「でもね、それをよく思わない女子が多くて、教科書を捨てられたり、靴を隠されたり…」


イジメか…、さっき冗談っぽくは言ってたけどやっぱり本当だったんだな
それに…さっき俺の手を縛ってるときにチラッと見えた、伊月ちゃんの手首の傷…あれは…


「高校に入学したらね、それも終わると思ってたんだけど、わたしを特にいじめてた3人組もこの高校に受かって…また地獄のような日が始まると思ったの…」


本当に制服を汚されたりしたんだろうな
何も言葉がでてこねぇ

「そしたら先輩に学校一の美少女がいるって1年のなかでもすぐ噂になったの。それはわたしなんかが比べものにならないくらいの人」

「如月か…」

「うん。でもね如月センパイの周りはいつも誰かがいて、女の人達たちや先生、誰も如月センパイを悪く言う人なんていない。わたしのときはこんなにひどいことするのに!如月センパイのときは!!!!」

伊月ちゃんの口調が荒くなる

「今まで男を利用してなんとか生きてきたけど、その男達もみんな如月美琴!如月美琴は天使!!!わたしはなにも変わらない…いつものようにイジメられるだけ…」

「今日の朝いたあの男は?騙したなとか言ってたけど」

「あぁ…あいつね。あいつを使ってわたしをイジメてる人に復讐しようとしただけよ。ヤラセてあげるって言ったらすぐ乗ってきたわ。でも先にヤラせろってうるさくてね。騙してないのに騙されたとかって」

そう言ってケタケタ笑った

「俺は?なんで俺を利用しようとしたんだ?」

「センパイは如月センパイと仲良いってみんな言ってるから。…使うならこのセンパイの声でしょ」

そう言った声はまぎれもなく俺の声だった


伊月ちゃんは知らないことがある
それは俺も能力者だってこと…

手を縛ったくらいじゃ俺の能力はとめられない
今すぐにでも能力を発動させてトイレに行かせることもできる

でも……それでなんになる…
伊月ちゃんの手首の傷
伊月ちゃんの震えた声

これ以上この子を苦しめたくない

わりぃ如月…俺の能力は強力でもなんでもない
この子を救うこともできない
今回ばかりは俺はこの子に能力を使えねぇ