俺の能力、便意操作なんだが

睨み合ってる2人だが、まずママが動いた
ママの足が弧を描く。だが相澤明は一歩引き、踵の風圧だけが頬をかすめた。すかさず相澤明はママの背後に立ち、両手でママの胸を鷲掴みにする。
ママはすぐに後ろ蹴りを放つが、相澤明は笑みを浮かべつつパッと手を離して蹴りをいなした。

「おいおい美里!小さくなったんじゃねぇの?ちゃんと飯食ってんのか?」

「うっさいわね」

そう言いながらママは次々攻撃を繰り出すが、すべて相澤明にかわされる
そして相澤明が膝蹴りをママのお腹に決め、ママは苦しそうにお腹をおさえてうずくまる

相澤明はママの髪の毛を掴んで無理やり立たせた

「なぁ?勝てねぇって。どんだけ強いって言ってもお前は女なんだ。黙って男に従ってろ」

ママは相澤明の顔に唾を吐いた

相澤明は顔についた唾をベロリと舐め

「懐かしい味だ」

と言ってママを思いっきり殴り、ママは吹っ飛んだ

しかしママはすぐに立ち上がる


「なぁ美里、これでわかっただろ?どうやったって無理なんだよ。お前が俺に勝つのは。だから仲直りしようぜ」

「はぁ?死んでもごめんよ」

「今までだって何回も喧嘩してきただろ?そのたびに仲直りのセックスして。そうだろ!?これはちょっと周りを巻き込んだいつもの夫婦喧嘩だ」

「………」

「なぁ美里また一緒に暮らそう。今度はもちろん3人でだ」

「あんたはあたしの能力を利用したいだけでしょ?自分が強くなりたいだけ」

「それの何が悪い!強くなりたいと思ってなにが悪い!!あの頃の弱かった自分が嫌いだったんだ!!だから強くなったんだ!!」

「あの頃のあなたは弱くなかったし、他の人のことも考えれる優しい人だったわ。だから好きになったの。でもあなたは変わっていった…」

「もういい…何を言ってもお互い理解しあえないとわかった。だったら力ずくで従わせるしかない」

「えぇ…決着をつけましょう」


相澤明が床に散らばる瓦礫をつかみ上げ、それを空中でピタリと止め、浮かせた

そしてママの方に手を伸ばし指さしをして
「飛べ」
と言うと、瓦礫はすごい速さでママの方に飛んでいった

ママはすんでのところでかわしたが、また相澤明は瓦礫を拾いあげて空中に留めた


そして今度はあたしの方に手を伸ばした

あたしは恐怖で動けない


「美里、俺の言うことをきけ。お前は避けれるかもしれないがこのガキはどうだ?」


すると突然宙で留まっていた瓦礫が下に落ちた

「またか…」

先程とは違い、静かに相澤明は言った

相澤明は手をだし炎を手のひらに出した

炎は出たがまたすぐに消えた

すると相澤明はニヤッと笑った


「なるほど、やはり能力が消えたわけじゃないんだな」

ママは何も言わない

「おかしいと思ったんだ。最初に骨を粉々にしようとしたとき能力が使えなくなった。てっきり能力者自体の能力を封印するものかと思ったんだが、そのあと炎を出したとき炎は出た。すぐに消えたがな」

さらに相澤明は続ける

「もしかして一つずつ封印されてるのか…そう考え、物質を飛ばしてみせた。案の定、それも封印された。だが…」

ママは静かに聞いてる

「さっきの炎はまた出た。つまり、封印できるのは一つだけってことだ。」

「へー、そこまでバカじゃなかったのね」

「問題はその能力が美里の新しい能力なのか…それとも他に誰かネズミが隠れているかだ」

空気に緊張が走る

「試してみるか…とりあえずこの能力で如月健一の肺の動きを止める」

そう言って相澤明はおじちゃんの方に手を伸ばした

おじちゃんは、目を見開いた
冷ややかな汗が首筋を伝い、背中を冷やした

「ハッタリよ!騙されないで!!!」

ママがまるで他の誰かに聞こえるようにそう叫ぶ

「正解」
そう言った相澤明の手から炎がでて、それをママの方に向かって投げるような動作をした

炎はママを襲うが、ギリギリバックステップでかわす

それでも上着が少し燃えてる

ママは上着を脱ぐと地面に叩きつけた


「ほらぁ、やっぱり他にも仲間がいたか!!美里は引っ掛からなかったが他のやつは引っかかったな!!どこに隠れてるんだぁ?」

ママは後ろの方を向いて

「金守(かなもり)さーん!あの"飛ばすやつ"と、"骨を砕くやつ"、どっちかのときだけ封印よろしくー。あとはあたしがなんとかするからー!!」
と叫んだ

「封印できる能力かぁ…欲しいなぁ!おーい、出てこいよ!俺が奪ってやる」

「バーカ、あんたはもうあたしの仕掛けた罠に引っ掛かってのよ。今度こそお終いよ」

「おもしれぇ…もう容赦しねぇぞ」

また2人は睨み合った