俺の能力、便意操作なんだが

「人の能力を奪える…!?ど、どういうことですか?」

「能力者って自分で能力があると気づいてない場合もあるってわかるわよね?」

「はい、うちの組織はそういう人を保護して、能力がわかったときどうするべきかを教えたり、経過を観察したりしてますからね」

「そうよ。そして相澤明もそうだったの。自分の能力はわからないけどなにかの能力があるとあたしはわかってた。だから彼に接触して組織で観察してたのよ」

「なるほど」

「そのときあたしと組んでた先輩がね。彼と少し話をした直後急に彼の右腕が燃え始めて、そして周りも突然燃え始めたの」

「それが暴走したってことですよね。でもそれって急に火の能力が目覚めたってことなんじゃないですか?」

「あたしがそのとき組んでた先輩ね…火を操る能力者だったのよ…」

「い、いや、でもたまたま同じ能力だったのかもしれないじゃないですか」

「あたしは能力者を探知できるのよ。オーラみたいなのが見えるし探知できるんだけど、その先輩からオーラは見えなくなっていたわ。先輩も能力が使えなくなっていたし」

「そんな…。それでその先輩ってその後どうしたんですか?」

「組織を抜けたわ…。でもね先輩は喜んでいたの。普通の生活に戻れるって…。それからこのことは当事者と上の人だけのトップシークレット扱いよ。"相澤明は火の能力がありそれが暴走した"ってことにされたのよ」

「うーん、なんで隠す必要があるんですかね」

「最初は相澤明を守るためだったわ。そんな強力な能力をもってたら誰かに狙われて利用されてしまうかもしれない…」

「たしかにそうですね…」

「そしてあたしが相澤明の監視役に任命されたってわけ。念のために能力がないアナタ…健一くんを新しいパートナーとしてね」

「そういうことだったんですね…能力者同士がパートナーになってるのに、なんで俺がそこに配属されたのか謎だったんですよ。これで納得できました」

「最初はね…相澤明も『能力で困ってる人を助けたい。僕がその人の能力を引き受ける』って言ってたんだけどね…いつのまにか他の人の能力を奪いたいに変わっていったのよ」

「それで美里さんの能力を欲しがってるのか…美里さんの能力なら他の能力者を見つけれるから」

「おそらくそうよ」

「でも相澤明は美里さんから能力を奪うチャンスはいくらでもあったと思うんですけど…だって一緒にいたわけだし」

「もちろんあたしから奪おうとしてたわ。でもできなかったのよ」

「え?どうしてですか?」

「それはね…あたしにはもう一つガードの能力があったみたい」


「ガードの能力?てか能力二つあるんですか?」

「そういうことね。あたしもよくわかってないけど、他の人の能力はあたしには効かないのよ」

「え?でも火傷しましたよね?」

「あれはあくまで火を操ってるからね。もし内面から燃やす能力ってならあたしには効かないわ」

「そ、そっか。だから相澤明の奪う能力は美里さんには効かなかったってことか」

「そう。アイツも奪うのはあきらめたと思ってたけど、今探されてるってことは何か手があるってことね。あたしも注意しないと」