男子に生理だと打ち明けるのは恭介が初めてだった。
 経験が多い方ではないけれど、半年も付き合ったのは恭介が初めてだったし、努力家で優しくて誠実なところを尊敬していた。恭介の部活と私の体調のこともあってデートの頻度は多くなかったけど、大きな喧嘩もなく平和に交際を続けられていた。
 それが、こんな形で違和感を抱くようになるなんて。

 ――ヤケ買いしてきた。

 昨晩、恭介とのトーク画面には大量の駄菓子や炭酸飲料が映り込んだ写真と、その一言が流れてきた。デートに行けなかったからだ、と。自分よりも体調を優先した彼女のせいだと空白を読んで、私は枕に沈んだ。優しく誠実だった彼氏に初めて胸焼けを覚えた。
 だけど一方で、どこか安堵している自分もいた。紫音との会話に散りばめられた違和感が間違いではなかったと思えたからかもしれない。


「ねえ、このあと球技大会の練習してこーよー」

 六限終わり、HR前の休み時間にスマホを見つめたままでいると、紫音が前のめりになって振り返る。私は開いていたトーク画面を急いで閉じた。

「このあとって、放課後ってこと?」
「ウン。第二体育館空いてるらしいし、皆でやろーって話になったんだよね。男女混合で」

 伊月も行くっしょ? と頬杖を突いた彼女は、何の曇りもない目で私を見つめる。

「……ごめん。今日はちょっと、」

 目を伏せて言うと、食い気味に「えーっ」と声を上げる紫音に眉が寄る。昨日自分のネガキャンを聞いたせいで、これまで賑やかに感じていた声が煩わしいノイズに変わる。理由を聞くより先に不機嫌が貼り付いていく表情にモヤついた。

「せっかく全員揃うと思ったのにー」
「ごめん。昨日から体調悪くて」
「あ~~、生理?」

 自分の生理は奥ゆかしく隠すくせに、私の生理は大声で言えるのか。眉を上げてこちらを見下ろすその瞳を思わず睨んだ。

「そんな大きい声で言わないでよ」

 狭い管を通った声は震えて、鼻の奥がつんと沁みる。私は涙が零れないように目に力を込めた。

「え、何? 心配して聞いただけじゃん」
「男子もいるんだし、少しはボリューム考えて欲しい」
「はぁ? 別に恥ずかしい事じゃなくない? 生理現象なんだし」

 声を潜めた私に構わず、重ねられた紫音の声は閃光弾のように鋭いままで嫌気がさす。
 恥ずかしい事じゃないならあなたも言えばいいじゃない。昨日恭介に広げていた風呂敷はどの風に吹かれて飛んで行ったのか、ずいぶん自分を棚に上げるのね。恥ずかしくない事だと言っておいてきっとあなたは大人になっても生理休暇を使おうとはしないだろうし、昨日の言葉を引用するならあなたの生理は「そんなにきつくない」ことなんだから、使いたい人の気持ちだってきっと分からないでしょうね。まあ、これはちょっと決めつけすぎかもしれないけれど。

「恥ずかしい事じゃなくても、女子って大体そういうのは隠したいと思うけど」

 ピキッ。彼女のこめかみに血管が浮き出たのが分かった。だけど、脳内に書き留められた言葉を呑んだ代わりに昨日の彼女の言葉で返した私は、今だけとても聡明だと思う。血が足りていないおかげか、クリアになった頭の中で巡る思考に感動すら覚える。
 紫音の反撃を食らう前にチャイムが鳴ったのは幸いだった。
 私はHRの後、颯爽と教室を後にした。


 見上げた空は青く、風の温度が心地よくて空気も軽い。閊えたものがあるのに、緑風を吸い込むと少しだけ心が浄化された気分になる。
 校門を出た後、自転車に乗った私はいつもとは逆の方向にハンドルを切った。
 うちの高校は二つの駅に挟まれていて、片方の駅は自転車で十分、もう片方は十五分かかる立地だ。私を含め、生徒のほとんどは近い方の駅を利用するので、反対側の通学路はとても空いていた。
 こちら側を走るのは初めてではないし道も単純だけど、馴染みのない景色や同じ制服が見えない状況に少しだけ不安が過る。だけど同時に、無条件に私を受け入れてくれる新たな道への高揚も隠せなかった。

 平穏を砕く言葉を、今日初めて口にした。

 自転車を停めて、慣れない駅前のベンチに腰を沈める。右手にはコンビニ、左手には今時珍しい公衆電話ボックスがあって、目を上げれば木造の駅舎が私を見下ろしていた。駅へ向かう人たちは顔を仰いでいるけど、ちょうどこの場所は日陰になっているので心地いい。訳もなく足を伸ばした先で、訳もなく空を見据えながら私は息を吐いた。こういうのを黄昏るっていうのだろうか。

「このままじゃダメかな……」

 小説の主人公にでもなった気分で零してみる。なんでも良かったのに、迷いなく零れたその言葉は私を空に沈める。
 視界をずっとこの空で満たすことができたらいいのに。学校も、教室も、いつもの駅も、電車も、親友の声も、彼氏の良心も、全部なくなってしまえばいいのに。明日もし学校に隕石か何かが降ってきたとしたら、今の私はきっと誰の手も引かず一人で飛び出すと思う。
 脳内で学校が散り散りなる風景を描くと、心に柔らかい隙間風が吹く。本当にそんなことにはならないと判っているからカタルシスを感じられるのか、本当に隕石が降ってくればいいと思っているのかは自分でも判らないけれど、心の中は自由でいい。

 ――“口に出す言葉は考えなくてはいけないけれど、思うのは自由”よ。

 誰かの格言なのか、昔お母さんが教えてくれたその言葉は私を救ってくれた。

 バチンッ――。
 澄み渡った青空に稲妻が走ったと錯覚するような音だった。
 私は思わず背筋を伸ばして目を下す。そこには男女が向かい合って、男の方は頬を押さえていた。
 二人とも知らない顔だけど、同じ学校の生徒らしい。女の方は短いスカートを翻して、男の頬を引っ叩いた。さっきよりも強烈な稲妻が走った。

「……手、大丈夫? 痛くない?」

 男の方は頬を摩りながら彼女の手を掬おうとしたけれど、彼女はそれを振り払った。

「――璃央(りお)は優しいけど、最後まで残酷なんだね」

 *

 両頬を赤く染めた男がこのベンチに座ってから、一体何分くらい経ったのだろう。じろじろ見るのも良くないと思い、気にしていないフリをしていたけれど、隣に居られるのはやっぱり気になる。
 横目でこっそり様子を確認してみると、そこには整った横顔がスマホの画面に照らされていた。しかも、あんなことをされたのに笑っている。

「血、出てますよ」

 気になってティッシュを差し出すと、彼はスマホから目を上げてこちらを見る。同じ学校だから不思議ではないけれど、驚くほど見覚えのある顔だった。去年のミスターコンテストで優勝した先輩だとすぐに分かった。それに、モテる人なら女性に引っ叩かれるという構図もなんとなく納得できる。

「うわ、ホントだ。ありがとう」
「いえ」
「絆創膏もってる?」
「え? いや……すみません、持ってないです」
「なんだーそっか。ハイ、これ」
「は?」
「ゴミ」

 彼の笑顔は画になるけれど、彼女の言っていた“優しい”とは到底結び付かない。使用済みの、血まみれのティッシュを差し出してきた男に私は眉を寄せた。

「足は、ケガしてないですよね?」
「ケガはしてないけど、今は動きたくないんだよねー」
「はあ……」
「ゴミ箱まで結構距離あるしさ」
「……」
「それに、優しくするなら最後まで優しくしてよ」

 胡散臭い笑顔と理不尽なお願いに、途中まで伸ばした手を止める。

「……私も、今は動きたくないのでお断りします」
「え?」
「それに優しくなんてしてません。血が嫌いなので、垂れる前に拭いてもらいたかっただけです」

 手を引っ込めた後、「まだ残ってます」と再びティッシュを差し出した私に彼は息を漏らしながら笑う。口の端から滲んだ血とその笑みが合わさると、生き血を吸って腹を満たしたドラキュラのように見えた。優雅で存在感のある見た目かつ彼女から「残酷だ」と言われていたこの人には、ぴったりの配役だ。

「俺は血嫌いじゃないけどね。むしろ好き」

 ゴミを捨て、なぜか同じ場所に戻ってきたドラキュラは笑みを含みながら言う。

「やっぱり」
「え?」
「いえ、なんでも」

 ドラキュラは血が大好物ですもんね。とは言えなかった。

「君は何で嫌いなの?」
「月に一回……下手したら二回、酷い出血に遭うからです」

 異性なのに、サラリと答えてしまった。なぜか分からないけど、声はいつもより落ち着いている。平穏を一度砕いてしまったからか、どこかでタガが外れてしまっているのかもしれない。

「あー。生理重い子?」

 ドラキュラは長い脚を組み替える。このデリカシーのなさはある意味清々しい。

「生理も、生理前症状も酷い方だと思います。他の子たちの事情は知らないけど、周りと違うってことはなんとなく分かります」
「へえー。俺も分かるよ」

 思わぬ共感に視界の端にいた彼を振り向く。

「なんとなく肌で感じることって、厄介なんだよな」
「それは……、さっきの彼女さんのこと?」
「カノジョ?……ああー、違う違う。アレは俺が悪いから」

 そう言った彼の言葉が謙遜でないことはよくわかる。冷酷非道と名高いドラキュラにも多少の良心はあるのだろうか。それに――、

「どうして、……血が好きなんですか」

 どうして厄介だと思うんですか。とは訊けなかった。

「あー……生きてるって感じがするから。俺の血も(あか)いんだって安心できる」
「人間みんな、血は緋いですよ」
「だから、人間だってことを実感できるってことよ」
「ドラキュラじゃないんだ……」
「ん?」
「いえ、何も」

 口を噤んで反芻する。
 血が緋いと安心する。生きてるって感じがする。人間だってことを実感できる。――それなら私はもっと血が嫌いだ。皆と同じ緋い血が流れていることに嬉しいと感じたことなんて一度もない。生理の症状に応じて色を分けてくれたらいいのにとさえ思う。

「私は、生きていることなんて実感したくないです。――死んだように生きていたいです」

 風が吹く。梅雨入り前の、爽やかな緑風が私の言葉を攫っていくのが心地いい。この人の他人行儀もある意味ちょうどいい。
 何の感情も動かないこの時間がずっと続けばいいのにと密かに思った。

「いいな、それ」
「え?」

 だけど、割り込むようにドラキュラは身を乗り出す。にたっと笑って見上げられると、感情が揺れ動く。それはそれで不快な気分にはならないのだから、私も紫音の矛盾にどうこう言える立場じゃない。この人もこの人で、さっきと言っていることが違う。生きていることを実感したいって言ってたのに。

「死んだように生きるってのは、生きてるだけ(・・)ってことでしょ?」
「まあ、そうですね……?」

 あまり深く考えずに放ったので、深堀されると困るのだけど。当たり障りのない返事をしながら、彼の膝についた頬杖を見据える。その口角はクイッと上がった。

「娯楽も目的も達成感もない。その代わり、人間関係も煩わしい感情も恨みつらみも、それを向けられることもない。で、合ってる?」

 心の内に見えない形で燻っていた感情が、彼の言葉で綺麗に象られていく。得意げにこちらを見つめ返す彼に、私は大きく頷いた。

「合ってます。すごいですね」

 素直に感心した。今日初めて会った人に、自分でもうまく象ることのできなかった心情を言語化されてしまうなんて。

「ほんの些細なことで苛ついて。あんなことで全部消えてしまえって思う自分が恥ずかしくて。ずっとここに居られればいいのにって思います。誰もいないし、空は広くて高いし、心地よくて好きです。ここ」

 私は、自分が思っているよりずっと高揚していた。ポエマーか。と自分で突っ込むのも寒いくらい叙情的な言葉を吐いた後で、ようやく顔が熱くなる。恐る恐る顔を上げると、彼はただ前を向いていた。

「誰もいなくはないでしょ。俺たちは居たわけだし。ほら、また人来る」
「いや……そうじゃなくて」
「ああ。“誰も” じゃなくて “会いたくない人は誰も” って意味か」

 鋭すぎて、逆に怖い。黙ったまま訝し気に眉を寄せると、ドラキュラは体重を後ろに倒して再び背を凭れた。

「さーて。お嬢さんは誰に会いたくないのかな?」

 こちらを探る瞳が(たの)しそうに煌めいている。
 今日初めて言葉を交わした彼は、私が何かを吐き出したところで何をしてくれるわけでもないと確信していた。そうでなければ、唇を割ることはなかったと思う。

「クラスメート……いや、同学年の生徒全員かもしれないです」
「アッハッハッ、そりゃあ全部消えろって思うわな」
「落ちませんかね。隕石」
「そうそう落ちねぇだろ」

 ケタケタと笑う彼を見て少し安心する。『怖いこと言うな』とか言わないんだな、この人。

「隕石が落ちてきたら死んだように生きれんの?」
「隕石が落ちてきたら、その必要もなくなるかもしれません」
「つまり、気に入らない奴らがいるってことね」
「直接的すぎます。あと、ちょっとニュアンスが違います」
「ふーん。どう違う?」
「それは……ちょっと難しいですね。なんて言えばいいんだろう……もう一生、どう頑張っても噛み合わない人たちだって判った、というか」
「俺より直接的じゃない?」
「否めません」

 違った考えの人たちを否定するつもりもないし、非難するつもりもない。だけど、私の意思を私の言葉で伝えたとき、伝えたままの意味では理解してくれない『噛み合わない人』もいるのだと知った。緋い血の流れた同じ言語を扱う人間なのに、底を覗いてみないと分からないなんて本当に厄介だ。
 堰を切ったようにツラツラと出てくる些細な一部始終を、彼は適当な相槌で聞き流す。ふーん、へぇ、そう。関心の薄い相槌に引っ張られるように言葉が溢れた。この人には、恭介や紫音に感じた違和感がなぜか沸かない。

「異性には隠したいと思うのが一般的だと思います。だけど、デートを断る理由を打ち明けたのは “彼氏だから” です。変に濁すより、明確な理由を伝える方が解ってもらえると思ったから。……それに、私には周りと違うところがあるってことをあの人には知って欲しかった。――信頼、したかったんです」
「ふーん……そう」

 濁流に指先を触れる程度の、小さな相槌が私を見据えた。

「君は諦めがいいね」
「諦め……?」
彼ら(・・)に全部伝えるつもりがないことも、関係を立て直す気がないこともよくわかったよ」

 図星を突かれて言葉に詰まる。今更攻められている気になって顔を伏せると、ビー玉のような瞳に覗き込まれて肩が跳ねた。

「もういっそ、壊しちゃえば?」

 カサブタになりかけている口の端が持ち上がるのを見て、背筋がゾクリと鳴る。

「“その些細な事(・・・・)が引き金を引いただけで、これまでも噛み合わなかった”」
「え……?」
「俺にはそう言ってるように聞こえたけど」

 言い返せない。血を吸われたわけじゃないのに、なんだか頭がクラクラしてきた。私が何度も外す的に、一発で命中させてしまう彼の言葉が(こころ)を巡っているせいだ。

「……そうか、……そう、ですね」

 そうかもしれません。零し掛けた言葉を呑んで、言い直す。彼は満足げに目を細めた。

「たぶん、君も同じだと思うから言うけど」
「はい?」
「俺さ、互いに気持ちを吐き出して分かち合うのがセオリーの、おきれいな青春ごっことか嫌いなんだよね」
「……捻くれてますね」
「お互いサマ」

 彼の乾いた笑い声に肩の力が抜けて、だらりと背を凭れた。さっきまで澄み渡っていた青空は、焼け爛れた(あか)に染まり始めている。このベンチに座り始めたときとはまるで別の場所のようなのに、ずっと深く沈んでいるみたいだ。
 青春アレルギーだと言うドラキュラもどきの彼は、思い立ったように唇を割った。

「そういえば、なんでずっと敬語?」

 今更そんなことか。気まぐれな問いかけに肩が片方落ちそうになる。

「あなたが先輩だからです」
「俺のこと知ってたの?」
「はい」
「へぇ。じゃあ名前言ってみて」

 え、なんで。訝し気に眉を寄せると、彼は読み取ったように「いいから」と急かす。“ヴラド・ツェペシュ” と答えたらどんな表情をするのか、ちょっと気になるけどやめた。

糸井(いとい) 璃央(りお)
「せーかい」

 すげえじゃん。そう言って笑う糸井先輩は、興味深そうに私の顔を見つめる。

「な、なんですか?」
「君の名前、当ててみようかと思って」 
「ヒントなしで?」
「ヒントなしで」

 それはさすがに無理だと解っているのに、何枚も的を射抜いてきたこの人なら当ててしまうかもしれないと少し期待してしまう。ただ、私のことをじっと見つめる意味は絶対にない。探るように見つめられて、思わず体が固まった。

「答えていい?」
「はい、どうぞ」
「イシハラ サトミ」
「……当てる気がないのはよくわかりました」

 やっぱむずいわと彼の視線が離れて、ようやく体の芯が溶けていく。他人の視線に捉えられるのは苦手だ。

「で。正解は?」
「……内緒です」
「ハァ? 不平等じゃね?」
「それは、先輩がミスターコンに出たせいだと思います」
「あれで知ったのか」
「うちの学校の生徒は大体知ってると思いますよ」
「じゃあ、名前教えて」
「嫌です」
「なんで」
「だって……、先輩とは他人同士がいいから」

 せっかく溶けたはずの芯が、気付けばまた固まっている。てっきりすぐに諦めてくれると思っていたのに、ここまで粘られるとは思わなかった。
 糸井先輩が「他人同士ねぇ」と反芻しているうちに、私は息を吐いた。

「なんで、そんなに知りたいんですか」

 こちらを向いた先輩の瞳がキラリと光る。灯り始めた街灯が反射したせいだ。

「名前で呼びたいからってのは、理由として有効?」

 もっと理知的な答えが降ってくると思っていた私は目を見張る。二、三度黙って瞬きをすると、彼は訝し気に眉を寄せた。何驚いてんだと言わんばかりの表情に、急いで喉を整えた。

「有効です、けど……また次会ったら、教えます」
「ケチくさー」

 けどまあ、了解。立ち上がりながらそう言った先輩は、私に影を作る。

「またな」
「はい、また……」

 って返したのはいいけれど、またこんな風に言葉を交わすことなんて無いと思う。自分のことを流暢に話すことができたのは、先輩と私に何の関係性もないからだ。
 …………――本当に?
 ひらひらと手を振る先輩の背中を見送りながら、私も手を振ってみる。風が吹いて、後から草の靡く音が追いかけてくるように、今更こみ上げる名残惜しさに息を吐いた。