「今日はここでやめておこう」
結局、あの後も長い間本を読んだ。結果、四つほどの棚の本を調べ終えたのだが、そこにはなかった。
しかもこの屋敷にあるのは百ほどの棚である。単純に計算しても二十五日はかかる。勿論順調にいくわけでもないので、もっとかかる。
「そう肩を落とさないでください。また探しに来ましょう」
ルヨ様がそう私を慰める。そうですね、と私は頷いて、もう心配させまいと頬を叩いて気を引き締めた。ルヨ様と取り決めたのは、また来週ここに来ると言う事だった。
それほど頻繁には来られないだろうという判断だった。それに、アネリーゼ様もいつまでも快調ではないとのことで、そろそろ体調を崩すころではないかとのこともあった。
だけれど、一人で探索する気だったので、誰かが……特に大人の人が、自分のところについてくれるのは心強い。それがお貴族様であることが、まだ信じがたいけれど。
「おや、その子はプレノが借りたのかい?」
屋敷を出てクルスを道へと戻すと、ルヨ様が乗る馬に乗せてもらっているアネリーゼ様に声をかけられた。私が肯定を返して三人のほうを見れば、三人とも微妙な顔をしていた。
「クルスって、やっぱり変な色してるんですか?」
「それはもう盛大に」
アネリーゼ様の言葉に、ルヨ様もプロン様も頷く。
「そんな色をする馬が生まれるものでしょうか」
「さあな。遺伝子に何か問題でも起きたんじゃないか?」
「研究者に研究させてみますか?」
「いや、やめておけ、プロン。馬たちがかわいそうだ」
どうやら本当に珍しい色合いをしているらしい。私はクルスに飛び乗って、首をかしげた。
「私にとって、クルスはほかの馬より見分けやすかったから選んだんです。色合いがほかの馬と違ったし」
「そうか、プレノは色がわからないのか」
プロン様が思い出したようにつぶやき、ああ、とルヨ様とアネリーゼ様が同時に納得したようにうなずいた。
なんとなく不満になって、ふん、と鼻から息を吐き出した。それをプロン様に目ざとく気付かれて、鼻で笑われて頬を膨らませたらアネリーゼ様とルヨ様にも気づかれて恥ずかしい思いをした。
結局、あの後も長い間本を読んだ。結果、四つほどの棚の本を調べ終えたのだが、そこにはなかった。
しかもこの屋敷にあるのは百ほどの棚である。単純に計算しても二十五日はかかる。勿論順調にいくわけでもないので、もっとかかる。
「そう肩を落とさないでください。また探しに来ましょう」
ルヨ様がそう私を慰める。そうですね、と私は頷いて、もう心配させまいと頬を叩いて気を引き締めた。ルヨ様と取り決めたのは、また来週ここに来ると言う事だった。
それほど頻繁には来られないだろうという判断だった。それに、アネリーゼ様もいつまでも快調ではないとのことで、そろそろ体調を崩すころではないかとのこともあった。
だけれど、一人で探索する気だったので、誰かが……特に大人の人が、自分のところについてくれるのは心強い。それがお貴族様であることが、まだ信じがたいけれど。
「おや、その子はプレノが借りたのかい?」
屋敷を出てクルスを道へと戻すと、ルヨ様が乗る馬に乗せてもらっているアネリーゼ様に声をかけられた。私が肯定を返して三人のほうを見れば、三人とも微妙な顔をしていた。
「クルスって、やっぱり変な色してるんですか?」
「それはもう盛大に」
アネリーゼ様の言葉に、ルヨ様もプロン様も頷く。
「そんな色をする馬が生まれるものでしょうか」
「さあな。遺伝子に何か問題でも起きたんじゃないか?」
「研究者に研究させてみますか?」
「いや、やめておけ、プロン。馬たちがかわいそうだ」
どうやら本当に珍しい色合いをしているらしい。私はクルスに飛び乗って、首をかしげた。
「私にとって、クルスはほかの馬より見分けやすかったから選んだんです。色合いがほかの馬と違ったし」
「そうか、プレノは色がわからないのか」
プロン様が思い出したようにつぶやき、ああ、とルヨ様とアネリーゼ様が同時に納得したようにうなずいた。
なんとなく不満になって、ふん、と鼻から息を吐き出した。それをプロン様に目ざとく気付かれて、鼻で笑われて頬を膨らませたらアネリーゼ様とルヨ様にも気づかれて恥ずかしい思いをした。



