ぎいいいい、と嫌な音を立てながら、しかし扉は開く。鍵はかかっていなかったみたいだ。私はそっと身体を滑り込ませる。ばたん、と扉が閉まると、あたりが一気に暗くなった。
灯りと言える灯りは壁に備えられているろうそくの炎と、窓から差し込む淡い日の光。全体的に薄暗いこの空間が、なぜか私には心地よく思えた。昼より夜のほうが好きだし、私は暗めの所が好きみたいだ。自分が他人にはっきり見られないところとかが心地いいのだ。
足を取られないように足元にも気を付けつつ、誰かいないかと気配を探りつつ、私は辺りをきょろきょろと見渡しながら少しずつ歩を進める。あまり速く動きすぎて何かを失敗するのが怖かった。
人の気配はなかなか感じ取れない。私は手当たり次第にドアを開けてどんな部屋なのかを確かめていく。こっそり持ち出してきた外でも使える筆記用具とメモ帳を駆使していろいろなことを書き留めていく。
たった一部屋でもよく作りこまれていて、ギミック等もあり、私は幾度も危うくそのギミックに巻き込まれそうになった。そういうギミックの類は、本の中と、神官様たちのお話と、下働きの方が教えてくれる噂話で知っていた。もし知らなかったら、孤児院に帰ることができなくなっていたかもしれない。
仕掛け満載のこの屋敷の造りを一つ一つメモをしていくと、かなりの量になり、一部屋分だけでも三、四ページくらいは消費してしまう。
「ここ、すごいな……何の用途で作られたんだろう」
そう思わずつぶやきながら、次の部屋にたどり着く。そして、思わず私は扉をまじまじと見つめてしまう。この扉はほかの扉と比べてずいぶん大きかった。豪華さも桁違いだ。
「……これは」
私は扉の取っ手が、少し綺麗なことに気が付いた。他の部屋の扉の取っ手に埃が積もっていたのに、ここには埃が積もっていない。
こっそりと耳を澄ませ、気配を探ると、かすかな空気の揺らぎを感じた。
私は、ある理由からこういう隠密系のことを学んでいる。そして、この空気の揺らぎは、もし学んでいなければ感じ取れないくらい、些細なものだった。騎士様でも、気づきづらいだろう。でも、ここに人がいるのは間違いなさそうだった。
私は正面の扉から入ってきたときのように、そっと取っ手に手をかけ、ぎいいいい、と音を立てながら扉を開く。すぐさま襲い掛かってくるかもしれない刺客に警戒しつつ、そっと扉を閉めた。灯りは何も灯っていない。入ってくるのは、淡い木洩れ日。しかし、ほかの部屋に比べて光量が多い。どうやら、窓が大きく多くあるらしい。
灯りと言える灯りは壁に備えられているろうそくの炎と、窓から差し込む淡い日の光。全体的に薄暗いこの空間が、なぜか私には心地よく思えた。昼より夜のほうが好きだし、私は暗めの所が好きみたいだ。自分が他人にはっきり見られないところとかが心地いいのだ。
足を取られないように足元にも気を付けつつ、誰かいないかと気配を探りつつ、私は辺りをきょろきょろと見渡しながら少しずつ歩を進める。あまり速く動きすぎて何かを失敗するのが怖かった。
人の気配はなかなか感じ取れない。私は手当たり次第にドアを開けてどんな部屋なのかを確かめていく。こっそり持ち出してきた外でも使える筆記用具とメモ帳を駆使していろいろなことを書き留めていく。
たった一部屋でもよく作りこまれていて、ギミック等もあり、私は幾度も危うくそのギミックに巻き込まれそうになった。そういうギミックの類は、本の中と、神官様たちのお話と、下働きの方が教えてくれる噂話で知っていた。もし知らなかったら、孤児院に帰ることができなくなっていたかもしれない。
仕掛け満載のこの屋敷の造りを一つ一つメモをしていくと、かなりの量になり、一部屋分だけでも三、四ページくらいは消費してしまう。
「ここ、すごいな……何の用途で作られたんだろう」
そう思わずつぶやきながら、次の部屋にたどり着く。そして、思わず私は扉をまじまじと見つめてしまう。この扉はほかの扉と比べてずいぶん大きかった。豪華さも桁違いだ。
「……これは」
私は扉の取っ手が、少し綺麗なことに気が付いた。他の部屋の扉の取っ手に埃が積もっていたのに、ここには埃が積もっていない。
こっそりと耳を澄ませ、気配を探ると、かすかな空気の揺らぎを感じた。
私は、ある理由からこういう隠密系のことを学んでいる。そして、この空気の揺らぎは、もし学んでいなければ感じ取れないくらい、些細なものだった。騎士様でも、気づきづらいだろう。でも、ここに人がいるのは間違いなさそうだった。
私は正面の扉から入ってきたときのように、そっと取っ手に手をかけ、ぎいいいい、と音を立てながら扉を開く。すぐさま襲い掛かってくるかもしれない刺客に警戒しつつ、そっと扉を閉めた。灯りは何も灯っていない。入ってくるのは、淡い木洩れ日。しかし、ほかの部屋に比べて光量が多い。どうやら、窓が大きく多くあるらしい。



