極彩色の祈り

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「アピザ」
「なんだい」
「あの子……プレノに星のお告げを教えてほしいと言われた」
 メテオは中庭の木のオブジェの細い木の枝の部分に器用に腰掛けながら、木の根元に座ってぼんやりしているアピザに声をかけた。
「それで? 何かわかったのか?」
 アピザに問い返され、メテオは星空を見上げた。そしてきゅっと眉根を寄せる。
「あの子には一部を教えた……明日、何か思い立ったことをすれば、道は開けるだろうとおっしゃっていることを」
「……他にも何かあるんだね」
 アピザはよっこらしょ、と言いながら立ち上がって、ほぼ無意識的にぱっぱと尻の部分を払った。そしてメテオに向けて手を差し伸べる。
 メテオはその手を取って、すとっと木の枝から地面に降り立つ。アピザの手を離さずに、ぎゅっと握った。
「星は、不幸が、悲劇が訪れると告げた」
 つらそうな、泣きそうな、悲痛な表情を浮かべているメテオを見て、アピザはメテオがいつも語ってくれる話を思い出した。
 プレノという少女は色が見えなくて、いつも星の宮に来ては星のお告げを聞いて、メテオやほかの星読みの講義を興味深そうに聞いていろいろなことを吸収して、物心ついた時から一週間に一度は必ずここに遊びに来ていた。
 メテオは特にプレノをかわいがっていて、プレノのことを妹のように思っていると。
「メテオ」
 アピザはメテオの腰に手をまわして、メテオを抱き寄せる。メテオはアピザの胸に顔をうずめて、声を殺して泣き始める。
 いつも周りをうかがって、うまく感情を吐き出すことができないメテオは幼馴染でずっとなんだかんだ寄り添いあっているアピザの前では素直に感情を吐き出す。
 それをアピザは知っているから、何も言わずにメテオの感情を受け止める。アピザは星を見上げた。
『プレノに不幸が訪れる』
 星はアピザにもそう告げた。星のざわめきの理由が分かった。アピザもぎゅっと眉根を寄せて、メテオを抱く腕に力を込めた。

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