「みのり、同じクラスでほんとによかったね!」
「うん。2年生も頑張れそう」
「私もみのりがいるから頑張れる!刀吾とは離れちゃったけど…」
翠衣ちゃんは刀吾くんとは離れてしまったらしい。
私は翠衣ちゃんと同じならなんでもいい。
私には翠衣ちゃんしかいないから。

「ちょっとお手洗い行ってくるね」


緊張感が高まってきちゃったな…
大丈夫かな、乗り越えられるかな…

「大丈夫?元気ないの?」
「え?あ、大丈夫です」
「ならいいけど。職員室ってどこかな?」
「ここをまっすぐ行って、突き当たりを左です」
「そっか、ありがとう!」

あの人が転校生なのかと一瞬思った。
あんなにかっこいい人がこの学校に来るなんてもったいない。けど、ほんとにもし転校生だったらきっとめちゃくちゃモテるんだろうなと思った。



キーンコーンカーンコーン

「席つけー」
先生が誰かを連れて教室に入ってきた。
その瞬間、教室が一気に騒がしくなる。
先生が連れてきた人は、私がさっき話しかけられた、あの人だった。
「知っている人多いと思うが、このクラスに転校生が来ます」


「木村華耶(きむら・かや)です。よろしくお願いします」

「じゃあ、席はあそこ。花瀬の隣な」
「よろしく」
「よろしくお願いします…」

驚きを隠せない私に木村くんがズカズカと話しかけてくる。
「さっきの子でしょ?名前なんていうの」
「花瀬みのりです」
「みのりちゃんね」
いきなりしたの名前で呼ばれて少しドキッとした。
心臓に悪いよ、木村くん。