今日から高校2年生になる。
新しいクラスと馴染めますように。
あと、翠衣ちゃんと同じクラスになれますように。
人と話すのが苦手な私の唯一の友達は幼稚園からの幼馴染み、有馬翠衣(ありま・すい)だけだ。
「みのり!おはよう」
「翠衣ちゃん、おはよう」
「今日からうちら2年生だね!」
「うん。翠衣ちゃんと同じクラスになれるかな?」
「大丈夫!それに、転校生来るらしいよ」
「そうなんだ」
転校生。男子だろうか、女子だろうか。
少しだけ学校が楽しみになった。

「翠衣」
「あ!刀吾。みのりちょい待ち!」
「うん」
刀吾くんとは翠衣ちゃんの彼氏。五十嵐刀吾(いがらし・とうご)。剣道部のエースでイケメンと騒がれている。
翠衣ちゃんはめちゃくちゃモテるんだよな。恋愛とは程遠い私とは真逆の存在。
「みのりちゃんもおはよう」
「お、おはよう…」
「元気ないの?」
「そんなこと、あるかも…」
「違うよ刀吾。みのりは緊張してるの!今日から2年生だから。ねっ、みのり」
「そういうこと。転校生も来るっていうしね」
「が、学校遅れちゃう」
元気がないわけじゃない。私は至っていつも通り。
でも不安は、正直ある。
転校生ってどんな人だろう。怖いかな、優しいかな、こんな私と話してくれるかな?緊張するな…


「みのり!私たち同じクラスだよー」
「ほんと!よかった」
無事に2年生も翠衣ちゃんと同じクラスになれて安心。あとは、転校生がどんな人かだな。