(総愛され予定の)悪役令嬢は、私利私欲で魔法界滅亡を救いたい!

 魔法学園対抗戦だけど、その後復帰したオスカーの活躍もあり、我らがアクィラ魔法学園が優勝することになった。

 優勝賞品贈呈は王太子殿下からだ。わざわざ来てくれた王太子殿下の前で、汚れたローブのままという訳にもいかず、私たちは正装して出ることになった。

 歓迎会で着たドレスに着替えた私は、会場前でオスカーに出くわした。

 彼は私を庇って大怪我したことなどを思わせることなく、黒い髪は後ろへと撫で付け、身体に添うすっきりとした夜会服に身を包んでいた。

 オスカーが帰って来てわかったんだけど、オスカーが一人居れば何人もすぐに倒してしまえるので、すぐに勝負はついてしまう。だから、ゲーム通りの展開であればスチル数枚で済んでしまえていたのだろう。

「ロゼッタちゃん。優勝して、嬉しい?」

 誰かからサザールの事を聞いていたのか、オスカーが私に質問してきた。

「はい。オスカー先輩……あの、ありがとうございます。庇っていただいて……」

 実際のところ、あれは私を狙ったサザールの仕業なんだけど、私を庇ってくれたことに代わりはない。