「終わりだ」
「いいや! まだだ!」
サザールは地面から纏わり付く氷に身体を縫い止められるようにして叫んでいたけれど、誰がどう見ても勝負はついてしまっていた。
ピー! っと高い笛の音が響き、審判の声が響く。
「……アクィラが勝利!」
グーフォが全員戦闘不能になったことにより、アクィラは勝利。乙女ゲームの中では攻略対象者の格好良いスチル何枚かで終わるイベントなのに、すっごく苦労した。
ぐったりしてしまった私はすぐに控え室に戻ろうとしたんだけど、イエルクが私の腕を取った。
「……イエルク?」
「ディリンジャー先輩。忘れていますよ」
イエルクはまだエルネストの放った氷によって、動きを止められていたサザールに近付いた。
「謝ってください。僕らが勝ったんですから」
イエルクは先ほどの約束で、サザールが放った暴言を私に謝罪させようとしたらしい。
サザールは目を逸らし顔を背けて、素知らぬ顔だ。あんな拘束力もない口約束など、守る価値もないと思って居るのだろう。
「……イエルク。大丈夫よ。帰りましょう。オスカー先輩も心配だし……」
「おい。何の話だ?」
「いいや! まだだ!」
サザールは地面から纏わり付く氷に身体を縫い止められるようにして叫んでいたけれど、誰がどう見ても勝負はついてしまっていた。
ピー! っと高い笛の音が響き、審判の声が響く。
「……アクィラが勝利!」
グーフォが全員戦闘不能になったことにより、アクィラは勝利。乙女ゲームの中では攻略対象者の格好良いスチル何枚かで終わるイベントなのに、すっごく苦労した。
ぐったりしてしまった私はすぐに控え室に戻ろうとしたんだけど、イエルクが私の腕を取った。
「……イエルク?」
「ディリンジャー先輩。忘れていますよ」
イエルクはまだエルネストの放った氷によって、動きを止められていたサザールに近付いた。
「謝ってください。僕らが勝ったんですから」
イエルクは先ほどの約束で、サザールが放った暴言を私に謝罪させようとしたらしい。
サザールは目を逸らし顔を背けて、素知らぬ顔だ。あんな拘束力もない口約束など、守る価値もないと思って居るのだろう。
「……イエルク。大丈夫よ。帰りましょう。オスカー先輩も心配だし……」
「おい。何の話だ?」



