春が終わる音がした。
宝物を拾う私と、その宝物ががらくたに見える君。
君の大切な靴と、私の大好きな春。
いつだって私たちはそうやってすれ違ってきた。
2人の未来を語った口から溢れるのはその場しのぎの謝罪だけで、私は心に鍵をかけた。
愛おしい君が、いつだって気の狂っている私を見てどう思うかはわからないけれど、君の運命の人は私じゃないような気がしている。
私の運命の人も君ではないのかもしれない。
水が形を変える姿が美しくて、木々の間に差し込む光が美しくて、私はそんな感性を共有できる出来事が大好きだった。
空の青さを確かめて、海の深さに笑って、木々の香りに思いを馳せて、愛する人の呼吸に溺れていたかった。
子供よりも子供のようなことを人目もはばからずにしている時の自分が好きだった。
そんな私を愛してくれる人はいなかった。
狂人を愛せと言う方が無理があることくらい分かっているけれど愛されてみたかった。
馬鹿なことを馬鹿みたいに楽しむ馬鹿が好き。
私はずっと馬鹿でいたい。普通のレールに乗りたくない。大人になりたくない。優等生に戻りたくない。
そんな私を嘲笑うように時間は流れていく。
君と坂道を下る。青緑に染まった木々とたくさんの人をみて私の目に映る全てが死ねばいいのにと思った。
「帰り道は楽だね」と笑いながら坂道を登る人を見て死ねと思った。私たちだけが坂道を下っていた。
夏が好きだ。君は夏が嫌いだ。
君は冬が好きだ。私も冬が好きだ。
秋はよく分からない。
私たちが重ね合わせた手が下から伸びてきた悪魔の手に叩かれるようなそんな気持ちになる。
悪魔はいつだってこう言う。
「恋はいずれ死ぬ。」と。
私はその言葉にだからどうしたと言えるほどの強さが欲しい。
どんな呪文を唱えても手に入らないその強さは私の心臓と引き換えならば手に入るだろうか。
恋の余命が2年なら、
宝物を拾う私と、その宝物ががらくたに見える君。
君の大切な靴と、私の大好きな春。
いつだって私たちはそうやってすれ違ってきた。
2人の未来を語った口から溢れるのはその場しのぎの謝罪だけで、私は心に鍵をかけた。
愛おしい君が、いつだって気の狂っている私を見てどう思うかはわからないけれど、君の運命の人は私じゃないような気がしている。
私の運命の人も君ではないのかもしれない。
水が形を変える姿が美しくて、木々の間に差し込む光が美しくて、私はそんな感性を共有できる出来事が大好きだった。
空の青さを確かめて、海の深さに笑って、木々の香りに思いを馳せて、愛する人の呼吸に溺れていたかった。
子供よりも子供のようなことを人目もはばからずにしている時の自分が好きだった。
そんな私を愛してくれる人はいなかった。
狂人を愛せと言う方が無理があることくらい分かっているけれど愛されてみたかった。
馬鹿なことを馬鹿みたいに楽しむ馬鹿が好き。
私はずっと馬鹿でいたい。普通のレールに乗りたくない。大人になりたくない。優等生に戻りたくない。
そんな私を嘲笑うように時間は流れていく。
君と坂道を下る。青緑に染まった木々とたくさんの人をみて私の目に映る全てが死ねばいいのにと思った。
「帰り道は楽だね」と笑いながら坂道を登る人を見て死ねと思った。私たちだけが坂道を下っていた。
夏が好きだ。君は夏が嫌いだ。
君は冬が好きだ。私も冬が好きだ。
秋はよく分からない。
私たちが重ね合わせた手が下から伸びてきた悪魔の手に叩かれるようなそんな気持ちになる。
悪魔はいつだってこう言う。
「恋はいずれ死ぬ。」と。
私はその言葉にだからどうしたと言えるほどの強さが欲しい。
どんな呪文を唱えても手に入らないその強さは私の心臓と引き換えならば手に入るだろうか。
恋の余命が2年なら、

