君に触れる、その前に

 「関わらなければ、傷つくこともない」
そう信じていた。
いや、信じることで、自分を守ってきたのかもしれない。
それでも誰かと笑い合いたかった。
たとえ傷付くとしても、誰かに触れたかった。
そう気づいたのは、真っ直ぐな君と出会ったときだった。

 やがて訪れる選択と対立。
守りたいものと、壊さなければならないもの。
嘘と本音の狭間で、少年と少女は問い続ける。
「本当に大切なことって、何なんだろう?」