ここはドウナーアル城内。そして何処かにある倉庫のような一室だ。
そう真生を召喚した者が居る場所である。
真生を召喚した者……綺麗な声の女性は薄暗い部屋で険しい表情になり水晶を眺めていた。
(マオ様が良い方に豹変したと思い喜びましたけれど。これは良くないですわ……水晶が赤く光って警告しています。感情の暴走……。
思念を送りましたが、なんらかの力で遮断されている。これでは今の状態を知らせられません。
いえ、このままでは私の思いのままにマオ様を操れない。それは、すっごく困りますわ。なんのために魔王に相応しい者を苦労して召喚したのか分かりません。
どうやって……正常に戻したらいいの? 召喚方法が書物に記載されていたのなら、もしかしたら……)
そう思い大量に積み上げられている本の方へ向かい読み始める。
♠❈♠❈♠
場所は変わり謁見の間にある玉座付近。
まだライゼアとダランカルとナシェルが気絶していた。
「う、ん~……ん?」
どうやらライゼアが目覚めたようである。
目覚めたライゼアは寝ぼけ眼で周囲を見回した。そう真生を探しているのである。
(マオウ様は、どこに居るのですう?)
真生に何かあったらと思いライゼアは必死で探していた。
「……!?」
驚きライゼアは立ち上がる。そう真生が倒れているアクスファハンの下へ向かっていたからだ。
それだけではなく、ここまで伝わってくる尋常じゃないほどの覇気に変だと思ったからである。
「こんなのマオウ様じゃないわ。もしかしたら操られているの? いいえ……それはないですう」
どうなっているのか分からないライゼアだったが、このままじゃ駄目と思い駆け出していた。
走りながら間に合わないと思い普段消している翼を出し広げ飛び立ち真生の方へ猛スピードで向かう。
「間に合って……だけどマオウ様の覇気が凄いせいで思うように飛べないですう」
そう言うもライゼアは顔を赤らめ、ウットリしている。
そんな場合じゃないのが分かっていても体は反応してしまうようだ。
♠❈♠❈♠
そんなことなど知る訳もない真生は立ち上がろうとしているアクスファハンのそばまで来ていた。そして覇気を放ったままアクスファハンを見下ろしている。
立とうと思っていたアクスファハンは恐怖で震え動けなくなっていた。
「待て……待ってください! 謝ります。間違いなく貴方さまは……」
「ふざけるな。まだ終わってないぞ」
そう言い真生はアクスファハンの襟を掴み立たせる。
「アレだけの見栄を切ったんだ。それだけの能力を持ってんだよな?」
そう問われアクスファハンは、ブンブンと首を横に振った。
「そ、それは……」
言い訳をしようとしたアクスファハンに対し真生は、イラッとして殴りかかろうとする。やはり何時もの真生ではないようだ。
その時ライゼアが真生に思いっきり抱きつき首筋に噛みつく。
「……ツウー……誰だ!」
あまりの痛さにアクスファハンを床に落としたあと真生は、ライゼアを引き剥がし払い除けた。
払い除けられたライゼアは床に倒れたが、すぐ立ち上がる。だが泣きそうになっていた。
誰だと思い振り返りみた真生は、そこにライゼアが居たため何も言えなくなり佇んでいる。
「今のマオウ様は変ですう。お願い……正気に戻ってください」
キリッと真生を見据えているライゼアの目からは涙が浮かんでいた。
「ライゼア……俺は?……何を、して――……」
ライゼアの一言や、その姿をみて真生は我に返る。奇跡が起きたようだ。
「良かったですわ。何時ものマオウ様ですう」
気を張っていたせいかライゼアは安心して、ヘナァ~っと倒れそうになった。
それをみて真生は咄嗟に動きライゼアを抱きかかえる。既に体から放っていた覇気も治まっていた。
「すまない。なんでこんなに怒りの感情がわいていたのか分からない」
そう言い真生はアクスファハンの方を向くとジーっとみる。
真生にみられアクスファハンは大量の汗を流して怯えていた。
そう真生を召喚した者が居る場所である。
真生を召喚した者……綺麗な声の女性は薄暗い部屋で険しい表情になり水晶を眺めていた。
(マオ様が良い方に豹変したと思い喜びましたけれど。これは良くないですわ……水晶が赤く光って警告しています。感情の暴走……。
思念を送りましたが、なんらかの力で遮断されている。これでは今の状態を知らせられません。
いえ、このままでは私の思いのままにマオ様を操れない。それは、すっごく困りますわ。なんのために魔王に相応しい者を苦労して召喚したのか分かりません。
どうやって……正常に戻したらいいの? 召喚方法が書物に記載されていたのなら、もしかしたら……)
そう思い大量に積み上げられている本の方へ向かい読み始める。
♠❈♠❈♠
場所は変わり謁見の間にある玉座付近。
まだライゼアとダランカルとナシェルが気絶していた。
「う、ん~……ん?」
どうやらライゼアが目覚めたようである。
目覚めたライゼアは寝ぼけ眼で周囲を見回した。そう真生を探しているのである。
(マオウ様は、どこに居るのですう?)
真生に何かあったらと思いライゼアは必死で探していた。
「……!?」
驚きライゼアは立ち上がる。そう真生が倒れているアクスファハンの下へ向かっていたからだ。
それだけではなく、ここまで伝わってくる尋常じゃないほどの覇気に変だと思ったからである。
「こんなのマオウ様じゃないわ。もしかしたら操られているの? いいえ……それはないですう」
どうなっているのか分からないライゼアだったが、このままじゃ駄目と思い駆け出していた。
走りながら間に合わないと思い普段消している翼を出し広げ飛び立ち真生の方へ猛スピードで向かう。
「間に合って……だけどマオウ様の覇気が凄いせいで思うように飛べないですう」
そう言うもライゼアは顔を赤らめ、ウットリしている。
そんな場合じゃないのが分かっていても体は反応してしまうようだ。
♠❈♠❈♠
そんなことなど知る訳もない真生は立ち上がろうとしているアクスファハンのそばまで来ていた。そして覇気を放ったままアクスファハンを見下ろしている。
立とうと思っていたアクスファハンは恐怖で震え動けなくなっていた。
「待て……待ってください! 謝ります。間違いなく貴方さまは……」
「ふざけるな。まだ終わってないぞ」
そう言い真生はアクスファハンの襟を掴み立たせる。
「アレだけの見栄を切ったんだ。それだけの能力を持ってんだよな?」
そう問われアクスファハンは、ブンブンと首を横に振った。
「そ、それは……」
言い訳をしようとしたアクスファハンに対し真生は、イラッとして殴りかかろうとする。やはり何時もの真生ではないようだ。
その時ライゼアが真生に思いっきり抱きつき首筋に噛みつく。
「……ツウー……誰だ!」
あまりの痛さにアクスファハンを床に落としたあと真生は、ライゼアを引き剥がし払い除けた。
払い除けられたライゼアは床に倒れたが、すぐ立ち上がる。だが泣きそうになっていた。
誰だと思い振り返りみた真生は、そこにライゼアが居たため何も言えなくなり佇んでいる。
「今のマオウ様は変ですう。お願い……正気に戻ってください」
キリッと真生を見据えているライゼアの目からは涙が浮かんでいた。
「ライゼア……俺は?……何を、して――……」
ライゼアの一言や、その姿をみて真生は我に返る。奇跡が起きたようだ。
「良かったですわ。何時ものマオウ様ですう」
気を張っていたせいかライゼアは安心して、ヘナァ~っと倒れそうになった。
それをみて真生は咄嗟に動きライゼアを抱きかかえる。既に体から放っていた覇気も治まっていた。
「すまない。なんでこんなに怒りの感情がわいていたのか分からない」
そう言い真生はアクスファハンの方を向くとジーっとみる。
真生にみられアクスファハンは大量の汗を流して怯えていた。



