自分でも驚くほど、尖った声が出た。母が、びくりと肩を揺らすのが見えた。

「私が選んだ道だよ! どうして、お母さんまでそんな言い方するの!? まるで、私の書くものが……私のやっていることが、全部無駄みたいに!」

 言葉が、感情のままに溢れ出す。止められない。

「才能があるとか、ないとか、そういう問題じゃない! 私は、書くことでしか、自分を表現できないの! それが、どれだけ大変で、不安定なことか、分かってる! でも、それでも、私は書きたいの! どうして、それを分かってくれないの!?」

 母は、私の剣幕に明らかに動揺し、言葉を失っているようだった。その傷ついたような表情を見て、私ははっと我に返った。

 また、やってしまった。
 一番身近な存在である母に、自分の不安と焦りをぶつけてしまった。自己嫌悪で、胸が締め付けられる。

「……ごめんなさい。大きな声、出しちゃって……」

 かろうじて、謝罪の言葉を口にする。けれど、一度溢れ出した感情は、簡単には収まらなかった。