「え……? いえ、昔、少しだけ……。もう、書いてません」
僕は、慌てて否定した。
「そうか。……残念だな」
橘さんは、少しだけ寂しそうに目を伏せた。
「君が、時々、文芸書の棚の前で、長いこと本を眺めているのを見ていたからね。きっと、言葉が好きなんだろうと思っていたよ」
彼の言葉に、僕は胸を突かれた。この寡黙な店主は、僕が思っている以上に、僕のことを見ていてくれたのかもしれない。
「言葉は、好きです。でも……書くのは、怖くて」
思わず、本音が漏れた。
橘さんは、驚いた様子も見せず、静かに僕の言葉を受け止めてくれた。
「怖いか。そうかもしれないな。言葉は、時に刃物にもなる。自分も、他人も傷つけることがあるからね」
彼は、ゆっくりと言葉を続けた。
僕は、慌てて否定した。
「そうか。……残念だな」
橘さんは、少しだけ寂しそうに目を伏せた。
「君が、時々、文芸書の棚の前で、長いこと本を眺めているのを見ていたからね。きっと、言葉が好きなんだろうと思っていたよ」
彼の言葉に、僕は胸を突かれた。この寡黙な店主は、僕が思っている以上に、僕のことを見ていてくれたのかもしれない。
「言葉は、好きです。でも……書くのは、怖くて」
思わず、本音が漏れた。
橘さんは、驚いた様子も見せず、静かに僕の言葉を受け止めてくれた。
「怖いか。そうかもしれないな。言葉は、時に刃物にもなる。自分も、他人も傷つけることがあるからね」
彼は、ゆっくりと言葉を続けた。
