食堂に出汁のいい香りが漂っている。散々体を動かしてお腹は空いているはずなのにまるで食欲が無く、夕食を半分以上残した。その横で綺麗におかずも白米も完食したルナが、売店で買ってきた苺アイスの蓋を開ける。
「もうやだ。なんでできないかな」
「まだまだ勉強が足りないわね、ヒロは。うーん、おいしい」
ルナは机に突っ伏した私に目もくれず、デザートに顔を綻ばせた。
「なんか感じ悪いぞー」
「ホントのことだもん。でもヒロなら大丈夫。だって私の相棒だもん」
思わずじと目になった私に、今度は天使の笑み。
天然なのかわざとなのか。ルナには人を振り回す才能がある。天才的な人たらし。私もルナみたいな魅力が欲しかった。そうしたら今頃、恋の一つだってしていたに違いない。
どうして私はルナではないのだろう。どうして恋と縁が無いのだろう。そもそも人を好きになるってよく分からない。
考え込んでいたらルナが猫のように顔を覗きこんできた。
「それより今日はドキュメンタリーの第一弾の放送よ。見るよね?」
わくわく。ルナの表情からはそんな擬音語が聞こえてきそうだ。正直、気は進まなかったけど、水を差したくなくて私は小さく頷いた。
「もうやだ。なんでできないかな」
「まだまだ勉強が足りないわね、ヒロは。うーん、おいしい」
ルナは机に突っ伏した私に目もくれず、デザートに顔を綻ばせた。
「なんか感じ悪いぞー」
「ホントのことだもん。でもヒロなら大丈夫。だって私の相棒だもん」
思わずじと目になった私に、今度は天使の笑み。
天然なのかわざとなのか。ルナには人を振り回す才能がある。天才的な人たらし。私もルナみたいな魅力が欲しかった。そうしたら今頃、恋の一つだってしていたに違いない。
どうして私はルナではないのだろう。どうして恋と縁が無いのだろう。そもそも人を好きになるってよく分からない。
考え込んでいたらルナが猫のように顔を覗きこんできた。
「それより今日はドキュメンタリーの第一弾の放送よ。見るよね?」
わくわく。ルナの表情からはそんな擬音語が聞こえてきそうだ。正直、気は進まなかったけど、水を差したくなくて私は小さく頷いた。



