改めまして、おもしろ論文発掘が趣味の壱河です。

 どうですか? 「学校の怪談」、色々あると思いますけど、「ハギツグくん」が一番印象的でしたよね。「ハギツグくん」って聞いたことありますか? 壱河は初めて聞きました。論文にあるように、この名称を聞くと「ツギハギ」のイメージ湧きますよね。学校の怪談って意外とグロテスクだったりするじゃないですか。テケテケとか、下半身ないですからね。子供って思ったよりこういうの平気ですよね。

 さて、皆さん思ったんじゃないですか?
 箝口令が敷かれているも同然の「ハギツグくん」の怪談ですが、人の口には戸が立てられないと言います。いくら学校側が報告しろ、削除しろ、と言ったところで、全員が大人しく従うでしょうか。昔から語られている怪談なら、当然卒業生もいます。その人たちも「ハギツグくん」の怪談を外部に漏らさないようにしているのでしょうか?

 というわけで、壱河。
 少し調べてみました。

 まずはインターネット検索です。が、ヒットしませんでした。論文通りですね。



 次に、某短文SNSを検索しました。駄目でした。これは少し期待していたので、残念でしたね。「剥ぎ接ぐ」とかも試しましたが空振りでした。南小の皆さん徹底しているという印象です。



 他にも可能性がありそうなSNSや掲示板を探ってみたんですけど、それらしい書き込みは見当たりませんでした。ローカル系怪談とはいえ難易度かなり高めです。

 これは時間がかかるなと長期戦を覚悟して、紆余曲折の末。

 壱河、なんと見つけました。
 ●●県●●市立南小学校の卒業生の方を。

 こちら発見した投稿です。



「/ヽ≠″〃ノ勹″君今でも来校してんのかな 話しちゃいけない空気えぐくて卒業した今でも誰も話題にしない」

「ハギツグくん」の部分が検索対策されていますね。壱河、思い付きでギャル文字で検索した甲斐がありました。コメントしてフォローバックをお願いしました。DMでやりとりしたかったんです。



 こんな感じで。
 その結果がこれです。



 アカウント削除です。嘘だろ、というのが壱河の第一印象でした。「ハギツグくん」について聞きたかっただけなんですよ。アカウントまで消しますか?

 ちょっとこのかたのプロフィール画面のキャプチャはしていなかったんですが、アカウント開設日2018年だったの確認してますから、ある程度思い入れというか思い出というか……消すのにためらいがあってもいいと思うんですけど。いえ、壱河が原因とは限りません。とはいえ、このタイミングは少し違和感を覚えても仕方ないです。

 誠に残念ながら、これ以上調査するには直接小学校に問い合わせる他なさそうです。が、壱河は研究対象にかかわるつもりはありません。研究者じゃないですからね、論文を読んで楽しむのが第一です。

 ということで、隔靴掻痒が否めませんが、「南小学校における「学校の怪談」の変遷を巡る ――「ハギツグくん」考――」についてのご紹介はここまでとなります。

 と、思ったのですが。

 壱河、資料にある再現した「ハギツグくん」の張り紙に違和感を覚えたんです。
 ここなんですが、なんとなく黄色みがかって見えませんか? 



 最初は画面の反射かなと思っていたんですが、スマホで見てもパソコンで見ても、この部分だけ色合いが異なって見えたんです。

 そこで画像をキャプチャーして、画像ソフトで色調補正してみたんですね。そこであぶりだせたのが、これです。左下にご注目ください。



 拡大したのが、こちらです。



 二次元コードというやつですね。

 で、読み取ってみると「368 5 492」と表示されました。検索しても意味は分かりません。語呂合わせで考えても意味は通じませんね。

 これは著者である塚原さんが作成した再現画像です。なので、この二次元コードを画像に埋め込んだのも、塚原さんということになります。しかも、わざわざ一見してわからないようにです。ご本人に直接窺いたい気持ちは山々ですが、そこは壱河の領分ではないということで。

 そんなわけで、皆様も「ハギツグくん」にご注意ください。
 以上、ご紹介を終わります。壱河でした。