ルーナちゃんのお母さんと香辛料屋さんのおっちゃんの結婚式が明日に迫ったよ。
 今日は、結婚式に使う飾り付けとかを準備しているの。
 お花を準備したり、ライスシャワーで使うお米も準備しているよ。

「立ち見でいいからっていう人も多いね」
「ルーナちゃんのお母さんと香辛料屋さんのおっちゃんは、商店街の人気者なんだよ!」

 今日は孤児院にりっちゃんも来てくれて、ポチと一緒にお花の飾りを作っているの。
 冒険者も沢山参加するって言っていて、飾り付けをする参加者が凄いことになったんだよ。
 ルーナちゃんのお母さんと香辛料屋さんのおっちゃんって、本当に皆から愛されているねえ。
 りっちゃんも結婚式に参加するんだって。
 今日のうちにドレスも準備したんだよ。
 ふふふ、ポチも明日はりっちゃんのお下がりのドレスを借りるのだ!

「これで完成ね」
「おお、綺麗な飾りができたよ!」

 りっちゃんって本当に器用なんだよ。
 ポチには絶対できない飾りを、あっという間に作っちゃうの。
 りっちゃんの手は、きっと魔法の手なんだね。

「飾り付けは明日の朝なんだよね?」
「ポチが忘れちゃダメでしょう。明日の朝、皆で準備するんだよ」

 あ、そうだった。
 教会の中の飾り付けは、明日の朝皆でぱぱってやるんだよね。
 よし、次は教会の中を皆で掃除するんだよ。
 ポチもりっちゃんもミッケちゃんもリルムちゃんも、孤児院の男の子もお手伝いするんだよ。

「ワンちゃんのお兄ちゃんもお手伝いするんだ」
「だから、僕は犬じゃなくてオオカミなの! いつも間違えて!」

 うーん、犬とオオカミって何が違うのだろう?
 ポチ、全然違いがわからないや。

「うわあ、とても綺麗だね」
「本当ね。ステンドガラスからいい感じに光が入っているわね」

 教会の中は、何だかとっても綺麗な光景が広がっているんだよ。
 女神様の像に、キラキラと光が当たっているの。
 りっちゃんもうっとりとしているんだよ。
 
「りっちゃんがウェディングドレスを着たら、きっと綺麗だよね!」
「ふふ、そうなら嬉しいな。それに、多分数年以内に着ることになるかもしれないの」
「そうなの?」
「ええ。婚約者がいるのだけど、その婚約者が私の体が治らなくても挙式しようって言ってくれているの」
「おお! それは凄いね!」

 りっちゃんが歩けなくても結婚しようって言うなんて、とっても優しそうな人な気がするよ。
 そんな人と結婚できるなんて、りっちゃんはとっても幸せなのだ。

「じゃあ、りっちゃんの結婚式がうまくいく様に、明日の結婚式も成功させないとね!」
「そうね、私が二人を焚きつけたってのもあるし、明日の結婚式はうまくいってほしいね」

 よーし、ポチやる気が出てきたぞ。
 ポチは教会をピカピカにして、明日の結婚式がうまくいく様に頑張るのだ!
 りっちゃんも、ニコニコしながらお掃除を手伝ってくれたよ。
 これなら、明日の結婚式は成功間違いないのだ!