「おじさん、どこまで仕事終わっていたの?」
「おお、噂の犬っ子の嬢ちゃんだな。丁度剪定は終わって、後は切った枝とか葉っぱを集めるだけだったんだ。壊れたハシゴは、業者へ修理に出さないといけないな」

 ポチはちょっと気になったので、怪我していたおじさんにどこまで終わったか聞いてみたんだ。
 切った枝とか葉っぱを集めるくらいなら、ポチにかかれば直ぐに終わるよ。

「なら、ポチが枝と葉っぱを集めてあげるね!」
「あ、嬢ちゃんちょっと、う、上手いねえ」
「そうかな? じゃんじゃんやっちゃうね」

 ふふふ、ポチはたまにママさんが箒で庭をはくのを見ていたのだ。
 お掃除姿も見たことあるから、ポチはお掃除も出来るのだ!
 ちゃんと切った枝も集めるよ。
 さっさっさとやれば、直ぐに終了するよ。

「あっという間だね。ポチちゃんはお掃除も得意なんだ」
「そうだよ。ポチはお掃除も大得意なんだ!」

 領主様が誉めてくれたから、ポチちょっとドヤっとしちゃった。
 でも、誉められて嬉しかったから、尻尾はぶんぶん振っているけどね。

「それじゃあ、ポチちゃんにはたまにお屋敷のお掃除もお願いしちゃおうかな?」
「任せて! ポチにお任せだよ!」

 領主様からもお仕事を頼まれちゃった。
 色々な人のお手伝いができるの、ポチとっても嬉しいな。
 これからも一生懸命お手伝い頑張るぞ。
 尻尾をぶんぶんと振って答えていたら、奥様も偉いねってポチの頭を撫でてくれたんだよ。

「ここに娘がいれば良いのだがな。あの子は可愛い子が好きだから、ポチちゃんの事を気にいるはずだよ」
「そうなんだ。今はどこにいるの?」
「王都の屋敷にいるんだよ。ちょっと病気でね、治療をしているんだ」
「そうなんだ、何だかかわいそうだよ」

 ポチも思わずシュンとしてしまったよ。
 りっちゃんも病気でいっぱい注射とかしていたよなあ。
 ポチの耳も尻尾も、思わずペタンってなっちゃったよ。

「ふふ、娘の事を心配してくれて有難うね。でも、治療の効果もあってだいぶ良くなったのよ。もう少しすれば、この屋敷に戻ってこれるわ」
「そうなんだ! ポチ会えるのとっても楽しみ!」

 また新しい人に会えるんだ!
 ポチ、色々な人に会えるのとっても楽しみだな。
 
 今日の領主様とのお話は、これでおしまい何だって。
 午前中でお話が終わっちゃったから、午後はいつも通りにお店のお手伝いをしたんだよ。
 今日はいっぱいお手伝いできたから、ポチ大満足だったよ。