「それでは、暫くお待ち下さいませ」
「はい!」

 お茶を出してくれたお姉さんが部屋から出ていったけど、やっぱりポチの方を見てニコニコしていたよ。

「ポチちゃんは、商店街の人と仲良くやっているようじゃのう」
「そうだよ。商店街の人とも、冒険者の人とも仲良しなんだよ!」
「ふむふむ、それは良かった。孤児院に来たばっかりだと、環境に馴染めない子もいるからな」
「そうわね。ポチちゃんがこんなに明るい性格だから、皆から商店街のアイドルっていわれるのね」
「あっ」

 お爺さんと話をしていたら、応接室のドアが開いてビシッとした服を着たとってもダンディなおじさんと綺麗なドレスをきた女の人が部屋に入ってきたの。
 ポチ、直感でこの人たちが領主様って分かったよ!
 あ、お爺さんがソファーから立ち上がったから、ポチもソファーから立たないと。

「これはこれは領主様に奥方様。わざわざお時間を頂き申し訳ございません」
「いやいや、今回は転生の事も絡んでいるから私が出ないとならない」
「こんなに可愛くて元気いっぱいな女の子だから、きっと大丈夫よ」

 えーっと、何だか話に入っていけないよ。
 立ったまま、皆でポチの事を見ながらニコニコと話をしているよ。
 そうだ、領主様と奥様に挨拶をしないと。

「領主様、奥様。ポチはポチです。よろしくお願いします」
「お、元気な挨拶だな。私はこの公爵領を任されているガランだ。よろしく」
「元気なお嬢ちゃんね。私はガランの妻のフラウよ。よろしくね」

 ポチがぺこってお辞儀しながら挨拶したら、領主様も奥様もニコリとしながら挨拶してくれたの。
 とりあえず座ってお話しをしようとなったから、皆でソファーに座ったよ。
 うーん、やっぱりこのソファーふかふかだ。
 とりあえず紅茶を一口。

「あっち!」
「「「クスクス」」」

 あ、皆がクスクスと笑っているよ。
 うう、またやっちゃった。