「皆様、到着いたしました」
「有難う御座います」
「ありがとうございます!」

 おお、大きなお屋敷の玄関に到着したよ。
 ポチも元気よくお礼を言ったよ!
 馬車を降りて玄関の前に立つと、ビシッとスーツを着たカッコいいお爺ちゃんが立っていたよ。
 凄い、カッコいい!

「皆様、ようこそおいでくださいました」
「おはようございます! ポチはポチです!」
「これはご丁寧に。私はこの屋敷の執事をしておりますグレイと申します。どうぞよろしくお願いします」
「よろしくお願いします!」

 カッコいいお爺ちゃんは、グレイさんって言うんだ。
 ポチが元気よく挨拶したら、ニコリってしてくれたよ。

「では、応接室にご案内します。どうぞ中にお入り下さい」
「はーい」

 グレイさんの先導でお爺さんの後に続いてお屋敷の中に入ると、屋敷の中にはメイド服を着たお姉さんが沢山いたんだよ。
 メイド服もとっても綺麗で、ポチは何だか良いなあって思っちゃった。

「おはようございます!」
「はい、おはようございます」

 ポチがメイド服を着たお姉さんにも挨拶をしたら、お姉さんもニコリとして返事をしてくれたの。
 だから、ポチも思わずニコリとなっちゃったよ。
 
「では、こちらでお待ちください」
「はーい」

 ポチとお爺さんは、グレイさんに大きくて綺麗なお部屋に案内されてソファーに座ったの。
 ソファーはふわふわの座り心地で、とっても気持ちよかったの。
 すると、メイド服を着たお姉さんがお茶を持ってきてくれたの。
 おや?
 あのお姉さん、どこかで見た様な気がするなあ。

「紅茶をどうぞ」
「わざわざありがとう」
「有難うございます!」

 あ、紅茶を出してもらった時にお姉さんの顔を改めて見たら思い出したの。

「この前、お肉屋さんにお肉を買いに来たお姉さんだ」
「あら、私の事を覚えてくれたのね。ポチちゃんは商店街のアイドルだから、ポチちゃんの事は侍従の皆はよく知っているのよ」
「そうなんだ! でも、ポチが商店街のアイドルだなんて、ちょっと恥ずかしいな」

 うう、逆にお姉さんから恥ずかしい事を言われちゃった。
 ちょっと恥ずかしくなって、ポチはもじもじしちゃったよ。
 
「ほほほ、ポチちゃんは皆の人気者じゃなあ」
「うう、お爺さんも少し意地悪なの」

 お爺さんもポチの頭をポンポンしながら、ポチの事を人気者って言ってきたの。
 ポチもっと恥ずかしくなって、もっともじもじしちゃったよ。
 お爺さんもお姉さんも、恥ずかしがるポチを見てニコニコしているの。