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どんな事件でもモノ好きがいて、その被害者、加害者、関係者の個人情報を調べて流出させる人間がいる。
普段はそんなことをしている人間を蔑んでいたけれど、今回ばかりは感謝した。

「飯島涼子の家は結構近いぞ」
車に戻って飯島涼子の家を調べていた雄一が言う。
「住所は県内だ。車で1時間くらいで到着する」

「もし家の人がいたとして、なにを聞くんだ?」
「飯島涼子についてだ。いまよい村は自殺志願者しか入れない。それが本当かどうかがわかる」
雄一は説明しながらシートベルトをつけて、すぐに車を発進させたのだった。