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「あのじいさんの言ってたことが本当だとしたら、イケニエは半年に一度捧げられてるってことだよな。前回のイケニエが誰だったのか、調べることができないかな」
鳥居の周辺をグルグルと歩きまわりながら雄一がブツブツ呟いている。

「前回のイケニエを調べてどうするつもりだ？」
「じいさんの話に信憑性があるかどうか、わかるだろ」

「だけど、全部いまよい村の中で起こってる出来事だ。調べようったって入れないんじゃ無理だろ」
「だから！　どうすればいいか考えてるんだろ！」
雄一がイラ付いた様子で怒鳴りつける。

ふたりの間に気まずい雰囲気が流れて黙り込んだ。
「……それならこの町で起こった事件を虱潰しに調べてみるか。資料館に過去の新聞も置いてあっただろ」
達也からの提案に雄一が足を止めて振り向いた。

「新聞か、いいかもしれない。すぐに資料館へ戻ろう」
車に乗り込んでしばらく走らせると、資料館には相変わらず人がいなかった。
ふたりが躊躇することなく中へ入っていく。
「こっちだ」