もちろん、この裏アカウントを見ている人たちはみんなトミーの味方で、書き込みのひとつひとつに【無理しないで】【相談にならのるよ】【警察には行ったのか?】と、トミーを気遣う書き込みがされている。

それでもトミーを傷つけたい書き込みの方が上回っているようで、スクリーンショットは日に日に増していく一方だ。
「トミーも自殺志願者だったのか」

さすがに心がこれ以上疲弊しないように、トミーの裏アカウントをすべて確認することはできなかった。
雄一はひどい書き込みの数々から視線を外して大きなため息を吐いた。

「これで行方不明者全員が自殺志願者だってことがわかったな。でもこれだけじゃ助ける方法はわからないままだ」
達也が次の手段を考えて黙り込んだ時、農機具を持った年配の男性が細い田圃道を歩いていくのが見えた。
「おい雄一! 町の人がいたぞ!」

今まで資料館へ行っても誰もおらず、話を聞くことができたのはラーメン屋の男性ひとりだけだった。

ここに畑を持っている人なら、もっと詳しい話を聞き出すことができるかもしれない。
ふたりは車から飛び出して畑へ入っていく男性の後を追いかけた。