雄一はそう言うとすぐにスマホを取り出した。
トミーについて検索すると、千件を超えるヒットがあって目の前がクラリとした。
でも手を止めている時間はない。

夏美は意味のわからない村に入り込んでしまって、今もどうなっているかわからないんだから。
「トミーを称賛する声と非難する声は半々くらいだな」
雄一が最初に確認したのはトミーがいなくなってしまってからの書き込みだった。

ヤラセだという意見とトミーが加害者なのではと推測している書き込みがかなり多い。
その中でもやはり心配する声も同じくらいあった。
「トミーってヤツは結構人から好かれてたんだろうな。こんな大事になっても殺害予告とかはなさそうだ」

達也の呟きに雄一の手が止まった。
そした達也へ視線を向ける。

「殺害予告?」
「よくあるだろ。有名人への殺害予告とか、建物の爆破予告とか。動画のコメントを見る限りではそういうのはないみたいだなって」
「でもコメント欄は不特定多数の人間が見るから、そういう書き込みは控えてただけかもしれない」
そう言うと、雄一はトミーのSNSを確認しはじめた。