「夏美! 返事をしろ!」
「夏美ちゃん!?」
ふたりの声をあざ笑うように木々がざわめき、その声をかき消していく。
「くそっ」
いくら呼んでも返事がないことにしびれを切らして雄一がスマホを取り出した。
焦る指先で何度も操作を失敗しながら夏美へ電話をかけた。
『雄一!?』
まるで雄一からの電話を待っていたかのように夏美の声が聞こえてくる。
「雄一、カメラに切り替えてくれ」
達也に言われて雄一はカメラ電話に切り替えた。
夏美もすぐにそれに対応し、不安そうな顔が画面に映る。
「夏美、どうした? どこにいるんだ!?」
『私は鳥居の前にいるよ。だけどふたりの姿が見えないの!』
「鳥居の前?」
カメラが鳥居を撮すが、もちろんそこには誰もいない。
そこから夏美はいなくなってしまったんだから。
『そうだよ。ここだよ』
「夏美ちゃん!?」
ふたりの声をあざ笑うように木々がざわめき、その声をかき消していく。
「くそっ」
いくら呼んでも返事がないことにしびれを切らして雄一がスマホを取り出した。
焦る指先で何度も操作を失敗しながら夏美へ電話をかけた。
『雄一!?』
まるで雄一からの電話を待っていたかのように夏美の声が聞こえてくる。
「雄一、カメラに切り替えてくれ」
達也に言われて雄一はカメラ電話に切り替えた。
夏美もすぐにそれに対応し、不安そうな顔が画面に映る。
「夏美、どうした? どこにいるんだ!?」
『私は鳥居の前にいるよ。だけどふたりの姿が見えないの!』
「鳥居の前?」
カメラが鳥居を撮すが、もちろんそこには誰もいない。
そこから夏美はいなくなってしまったんだから。
『そうだよ。ここだよ』



