トミーもさすがに顔色が悪くなってきた。
『ねぇ、この人たちここの家の人たちじゃないよ。出ない方がいいよ』
と、美加がトミーを止めている。

確かに、ここが自分の家なら『すみません』と、声をかけることはないだろう。
『でも、もし森で迷ってる人たちだったらどうする? ほっとけないだろ』
『でも……』

まだ渋っている美加を無視してトミーは玄関ドアに近づいた。
そして『はい』と、声をかけながらドアを開いたのだ。

目の前に立っていたのは若い男女4人で、随分とくたびれた顔をしている。
服も体も汚れて、汗まみれた。

『あの……僕たち迷子で……』
若い男が一歩前に出てトミーに説明を始めるが、たどたどしい言葉でなかなか先に進まない。

それを見ていた雄一が弾かれたように自分のスマホを確認した。
「なぁ、この4人ってバスに乗ってた人たちじゃないか?」
「え、嘘!?」